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粘菌を献上 熊楠キャラメル箱 直筆入り全国で初公開

2021年7月21日 05時00分 (7月21日 05時03分更新)
南方熊楠が南紀行幸した昭和天皇に菌類などをまとめて献上した際に使ったキャラメル箱。直筆の文字が上部にある=魚津市の魚津埋没林博物館で

南方熊楠が南紀行幸した昭和天皇に菌類などをまとめて献上した際に使ったキャラメル箱。直筆の文字が上部にある=魚津市の魚津埋没林博物館で

  • 南方熊楠が南紀行幸した昭和天皇に菌類などをまとめて献上した際に使ったキャラメル箱。直筆の文字が上部にある=魚津市の魚津埋没林博物館で
  • 粘菌の魅力を伝える企画展を説明する門田信幸学芸員=魚津市の魚津埋没林博物館で
  • 魚津市内の調査で見つかった粘菌のキンチャケホコリの写真と標本
  • 魚津市内の調査で見つかった粘菌のアシナガモジホコリの写真と標本

魚津埋没林博物館で企画展

 魚津埋没林博物館(魚津市)の企画展「ふしぎでかわいい粘菌の世界展」が二十一日、始まる。埋没林や蜃気楼(しんきろう)だけでなく、魚津の自然を多角的に見直す取り組みの一環。目玉は著名な博物学者で粘菌研究の先駆者、南方熊楠(一八六七〜一九四一年)の直筆入りキャラメル箱。所蔵する南方熊楠顕彰館(和歌山県)を含め、公開されるのは初めてという。 (松本芳孝)
 キャラメル箱は小箱六十箱入りの大型辞典サイズ。「苔蘚」「地衣少々」「川岩簟」の文字が入っている。一九二九(昭和四)年に昭和天皇が南紀行幸(ぎょうこう)した際、粘菌などを入れた小箱をまとめて入れて天皇に献上し、進講(講義)したという。
 「苔蘚」は共にコケを表し、「地衣」は地衣類を示す。顕彰館によると、「川岩簟」は淡水の藻類、カワモズクを指したらしい。献上の際に箱に入れた内容を書いたとみられる。顕彰館ではレプリカを展示している。熊楠が使った筆、すずり、絵の具も置いた。
 博物館と日本粘菌研究会の松本淳会長(福井県越前町立福井総合植物園長)が昨年十一月から魚津市内を中心に実施している調査で富山県内で初めて見つかった粘菌類十種のうち、キンチャケホコリとアシナガモジホコリの標本と写真を含め、三十九種の標本、五十二枚の写真も展示している。
 生きた粘菌を十倍に拡大した画像も見られる。一日数センチ程度しか動かないが、根気よく眺めると、アメーバ状の動物と分かる。
 会場には魚津市東部中学校二年生四人が職場体験で五、六の両日に実施した粘菌調査でシロエノカタホコリを見つけたことなどを書いたリポートもある。
 企画展は九月末まで。博物館の門田信幸学芸員は「普段、目にしない場所でひっそり生きる粘菌の美しさにふれてほしい」と話した。

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