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【北の富士コラム】誰の忠告も通じない白鵬、それが生き方だから仕方がない しかし、これだけは言っておこう

2021年7月19日 05時00分

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激しく身体をぶつけ合う照ノ富士(左)と白鵬

激しく身体をぶつけ合う照ノ富士(左)と白鵬

◇18日 大相撲名古屋場所千秋楽(ドルフィンズアリーナ)
 私は今、大変困っている。結びの一番が終わって2時間近くもたっているのに、興奮冷めやらず筆が全く進まない。白鵬と照ノ富士、両力士が死力を尽くしたであろう相撲は記憶に残っているが、もっと長い勝負だったような気がする。
 立ち合いは私が予想していたように、白鵬が張って出た。このところ批判されている張り手だが、意に介する気は一切ないのか、右から左と張りまくる。照ノ富士は右四つを狙って前に出る。しかし、照ノ富士も人の子。ついに堪忍袋の緒が切れたか、猛然と張り手で対抗する。
 とうとう白鵬の手に乗ってしまった。実は白鵬は照ノ富士が張り返すチャンスを狙っていたようだ。やはり海千山千の歴戦の横綱である。まんまと右差しを果たす。
 右四つなら照ノ富士も望むところである。がっぷり組んで攻め合いをするが、白鵬はすぐに自分の不利を察したようで、上手を離し、左から小手投げを体を乗せるように連発する。この投げは照ノ富士は想定外だったようで、さすがに残せなかった。
 この大一番は照ノ富士の勢いと安定感が有利と予想されていたが、相撲が長引くと悪化している膝のことを考え、白鵬が仕切りでじらし、前に出てくる出足をうまく利用し早い勝負に出た。最後は経験がものをいった。やはり白鵬は強くてうまかった。
 何よりも全勝優勝にかける執念は恐ろしいほどであった。昔はやった言葉に「ほとんど病気」というのを覚えていますわ。白鵬がまさにそれです。どんなに非難されようが、勝つだけが相撲ではないと言われ続けて久しいが、直す気は全くないだろう。若い時は、尊敬する双葉山関や大鵬関に「少しでも近づこう」「ああなりたい」と思った時もあったと思う。しかし、今はすべての記録を破る事しかない。誰の忠告も通じないだろう。
 それが白鵬の生き方だから仕方がない。しかし、これだけは言っておこう。今場所は2大関の休場や、日本人力士のふがいなさにずいぶんと助けられての優勝である。今場所の相撲が今後も通じるとは思わないほうが良い。
 最後にもう一度だけ言っておきたい。横綱の引き時だけは誤ってはいけない。場内インタビューの後、これでまた進めると語っていたが、体は相当に弱っている。何年も持つはずがない。まあ、せいぜい好きなだけ取るがいい。せっかくの優勝に文句ばかりで申し訳ないが、今回の白鵬の優勝で角界が盛り上がることはないだろう。
 今場所、活躍したのは照ノ富士、逸ノ城、豊昇龍。十両優勝は水戸龍、幕下優勝は北青鵬。まだ19歳だが、あと2、3年でモンゴル勢の時代が来る。
 そうか、白鵬はその時代を読んでいるのかもしれない。各部屋持ちの親方は本腰を入れて育成に励んでほしい。私も先が短いので心配である。
 千秋楽を迎えてホッとするところだが、今場所は疲れた。本日も軽い便秘。人間、出るものが出ないとつらいもんだ。さっき最後の夕食を済ませた。ルームサービスで中華料理の酢豚とマーボー豆腐。腹が減っていたのでうまかった。すしは食いそこねてしまった。近々、北海道に帰るので、それまで我慢しよう。
 それでは皆さん、さようなら。お元気で!(元横綱)
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