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復活優勝の白鵬「右膝ボロボロ」「この一番に全てを懸けようと」苦痛リハビリ支えたのは「再生する軟骨」

2021年7月18日 21時15分

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全勝優勝を決め、インタビューに答える白鵬(代表撮影)

全勝優勝を決め、インタビューに答える白鵬(代表撮影)

◇18日 大相撲名古屋場所千秋楽(ドルフィンズアリーナ)
 顔を真っ赤にして白鵬(36)=宮城野=が雄たけびを上げ、鬼の形相で拳を突き上げた。感情を抑えきれない。東京から駆けつけた家族はみな、子供たちも泣いていた。
 6場所連続休場明けの優勝が史上初であるだけではなく、全勝で。「まさかこの年で全勝優勝なんてね。場所前から思わなかったので、ほんとうにほっとしてます」。横綱として15年目を迎えた36歳。誰も予想だにしなかった奇跡の復活優勝だった。
 照ノ富士を右からかち上げた。右、左、左と痛烈な張り手。最後は照ノ富士の右腕を折らんばかりの小手投げだった。
 「右膝はもうボロボロで、言うこと聞かなかった。この一番に全てを懸けようと気合を入れていきました」と打ち明けた。
 今年になって新型コロナウイルスに感染。その影響か、弱っている右膝の炎症が治まらなかった。3月に再手術。その後の2カ月間は相撲から遠ざかった。最初はうつぶせになってお尻の筋肉に力を入れるだけ。土踏まずにゴムチューブを引っかけて足首を動かす単純なリハビリ。そんなことから始めなければならなかった。
 ただ、再生療法を施した軟骨が再生していく様子を医療用カメラで見て「草原じゃないけど、草みたいに咲いていた。本当に一歩一歩」とうれしそうに話していたと聞く。本当に少しずつ少しずつ歩んでいった。
 ようやく四股を踏めるようになったのは5月下旬。それでも合同稽古もない、巡業もない、部屋だけでは十分な稽古ができない。しかも、進退を懸けるのが暑さのためあまり得意としない名古屋場所。「仕方ないけど運が悪いといえば、悪いのかな。僕の最後の願いは15日間取り切ることだけ。それで十分。優勝をさらったら最高だけどね」。場所が始まる直前まで、そんな弱気な考えを巡らせていたとも聞いている。
 最高の結果で乗り切ったが、残りの相撲人生についてこう語ったことがある。「もう10日目を過ぎてるんでね。残りわずかだと思います。間違いないのは、あとの時間は少ないよ」と。「東京オリンピックまで頑張りたいという目標も達成できたし」と大きな区切りを迎えた。次の目標は「あと1勝です。横綱900勝を目指して」。まずは一歩踏み出してみる。

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