石橋先輩やりました~! 関東第一、3年ぶり夏切符 谷が2安打完封
2019年7月28日 02時00分
◇東東京大会決勝 関東第一4-0小山台
第101回全国高校野球選手権大会東東京大会は27日、神宮球場で決勝を行い、関東第一が4-0で小山台を破って3年ぶり8度目の優勝を決めた。昨冬の東京都選抜のキューバ遠征で精神的にたくましくなった背番号10の谷幸之助投手(3年)が2安打完封。青山学院戦、立正大立正戦に続き、この夏3完封、27イニング無失点で甲子園行きをつかんだ。都立としては雪谷以来16年ぶり、チームは2014年センバツ以来の甲子園を狙った小山台は夏初優勝を逃した。28日は西東京決勝、国学院久我山-創価が行われる。
甲子園に行けなかった先輩の思いも込めた。関東第一の谷は27個目のアウトを空振り三振で取ると、マウンドで両手を挙げた。7四球を出しながらも2安打完封。「ここを目指してやってきた。結果的に四球が多かったが、ローボールを投げるのを意識できた」。147キロ右腕は、登板3試合を全て完封勝ち。背番号10ながら、交互に登板した土屋とのダブルエースの名に恥じない内容だった。
昨夏、準決勝で二松学舎大付に負けたとき、中日入りした石橋康太捕手(18)から夢を託された。「おまえが甲子園に連れて行くんだ。おまえが変われば甲子園に行けるんだ、と言われました」。1年夏に甲子園に出たものの、ついに大舞台に戻れなかった石橋は、最後の夏が終わったあとも、同級生らとともに寮に残って練習を手伝ってくれた。最高の恩返しになった。
昨年12月の東京都選抜のキューバ遠征。谷はチームからただひとり選ばれ、たくましくなった。「すごいメンバーで1勝しかできなかったけど、勝ちにこだわることを学んだ。『自分さえよければ』でなく、勝てるピッチャーを目指そうと思った」。この日は1回に四球と失策でいきなり1死一、三塁とされたが、遊ゴロ併殺。これまでならムキになっていた場面で、スピードにこだわらず、変化球で冷静に打ち取った。ピンチをしのぎながら尻上がりに調子を上げ、制球重視で130キロ台後半だった直球が、9回には143キロをマークした。
クイックの方が制球が安定するとの勧めに、耳を貸さなかった谷の頑固さに苦笑した米沢貴光監督(43)は「谷を信じて、いけるところまで行こうと思った。しっかり投げてくれた」と全幅の信頼を強調した。春先の手応えは本物だった。「投手起用とかで、ぼくが采配ミスしなければ、この子たちは甲子園に届くと思った」と米沢監督。夏はオコエ(楽天)らを擁した2015年の4強が最高。東東京の6試合でわずか4失点の投手陣を中心に先輩たちを超える。 (小原栄二)
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