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伸び伸び力作集まる 第68回県小中学生写生画コンクール

2021年7月16日 05時00分 (7月16日 12時24分更新)
 第68回県小中学生写生画コンクール(日刊県民福井・中日新聞社主催、県・県教育委員会後援、三谷市民文化振興財団特別協賛、サクラクレパス・福井コンピュータグループ協賛)の入賞作品が決まった。約3万2000点の応募があった。特別賞27点(知事賞、中日新聞賞、日刊県民福井賞各9点)の作品と講評、金賞27点の作品、銀賞と銅賞の皆さんを紹介する。表彰式は福井市の県立図書館で17日午後1時10分から開かれる。 (敬称略)

総評


 今年も県内小中学校から三万二千点あまりの作品が集まりました。コロナ禍ですので、子どもたちも自由にできないこともあり、果たして楽しいとか、美しいとかの感動があるのか、不安でありました。しかし、たくさんの喜びや驚き、発見を見つけ表現している絵を拝見し、審査員一同、安堵(あんど)しました。参加された児童生徒の皆さん、熱心に指導された先生方に心から感謝いたします。
 低学年の児童は、生き物を描くことが大好きです。去年は行けなかった水族館、今年はカメやイルカ、ペンギン、サメなどを描いた絵もありました。イルカがジャンプする姿をクレヨンで勢いよく、伸び伸びと描いています。図鑑や写真を見て描くのではなく、目の前で動いている姿を見て描いた絵には力があります。低学年は、自らが体験したことに「幸せ」な感動があることが大切だと思います。「子どもが幸せ感に満ちたとき、よい絵はひとりでに生まれてくる」。生前、児童画研究家の故・木水育男氏が述べていた言葉です。
 高学年になると、遠近感や立体感を意識して描いたり、俯瞰(ふかん)して絵を描いたりするなど、見方や表現方法を工夫して描いた作品が見られました。この春から、一人一台のタブレット端末の活用に取り組まれているので、おそらく写生の授業でも使ったのでしょう。今までにない構図、面白い視点で描いた絵が多くありました。しかし、逆にダイナミックな作品が少なかったように感じました。タブレット端末等を今後どう写生画表現に使っていくのか、課題があるようです。
 中学校は例年美術部の作品が多いのですが、授業で取り組まれた学校が増え、技法に頼ることなく、自然の美しさを素直に表現された絵が多くありました。今後も、授業で写生画に取り組んでいただきたいと思います。美術部の活動から生まれた作品には、光や風、空気感、物の質感まで丹念に時間をかけて描かれている絵が多くあり、感心しました。子どもたちは、身近な風景や体験の中から主題を見つけ、自分の個性を発揮して、描くことを楽しみながら絵に表しています。これは、本県の教育振興基本計画に示している「個性を引き出す教育」と「学びを楽しむ教育」に通じることであり、子どもたちが描いた絵は、まさにその教育の表れであると言えます。
 保護者の皆さま、お子様の絵は子どもの学びそのものです。ぜひ、子どもの絵をお家に飾り、子どもの学びや思いを大切に受け止めてあげてください。また、県内六カ所を巡回する本コンクール作品展を県民の皆さまに見ていただき、よい絵が生まれるような幸せな家庭や学校、豊かな芸術文化を支える地域社会になることを願います。
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