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【北の富士コラム】あれだけ反対したのに もちろん千代大龍が悪いのだが、こんな割を組んだ審判部が一番悪い

2021年7月14日 05時00分

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千代大龍(左)を寄り切りで下す照ノ富士

千代大龍(左)を寄り切りで下す照ノ富士

 本日はひどい相撲ばかりで申し訳ありません。本当なら休載にしてもらいたいぐらいの気分だが、ほんの2、3番は見られる相撲があったので、その相撲だけ語ります。
 宇良が千代の国を押し出して6勝目を挙げた。次第に宇良の相撲は押し相撲に方向を変えてきている。これは誠に結構なことである。この相撲を磨けば面白い押し相撲力士になれるかもしれません。
 対戦する力士は宇良の変則的な相撲を忘れることはない。必ず立ち合いは何かしてくると考える。千代の国がそれである。まんまと宇良の術中にはまったのである。
 琴ノ若は確実に強くなっている。足が長く、腰が高いのは仕方がない。その分、出足は速くなる。私も若い時、同じような悩みを持っていたが、安定より出足を利した速攻相撲に決めた。案の定、成績にムラがあったが、この相撲一本で横綱になれたと思っている。
 琴ノ若は体力に恵まれているので、私より強くなれるかもしれない。今場所はまだ勝てると思うので、三賞を狙ってもらいたい。
 豊昇龍はくせ者の翔猿の動きを封じた。四つに組み止めると、見事な詰めを見せて、勝ち越しまであと1勝と迫った。体重があと10キロ増えると、取り頃の理想の体になる。そのときは組んで良し、離れて良しの万能の力士になるだろう。
 逸ノ城も左を取るとかなり自信があるようだ。大栄翔の押しが通じない。眠れる獅子がうっすらと目を覚ましたようだ。若隆景はどうやら疲れが出てしまった。もう10キロぐらいは増やすべきかな。それとあまりにも期待が大きくなって、重荷を感じたこともないとは言えない。相撲の内容は悪くはないので、気を落とすことはひとつもない。
 御嶽海はやっぱりダメだ。もうだまされないぞ。正代はなんだかんだと言われながら6勝目。どうやら勝ち越しはできそうだが、しょせんはそんなところ。
 さて問題の相撲である。そもそも千代大龍を全勝の大関と横綱に当てること自体がおかしい。休場者が多いので割を組むのも楽じゃないのは、私も審判部に長くいたから当然分かっている。私のいたころなら、こんな妙な割は作ることはなかったろう。
 あれだけ反対したのに、照ノ富士と対戦させてしまった。結果はご覧のように、立ち合いから力を抜いて戦わずして勝負が付いた。もちろん、ひとり合点した千代大龍が悪いのだが、こんな割を組んだ審判部が一番悪い。お客さんもテレビを見ていた人もあきれ果てていることだろう。
 横綱、大関の独走でそれでなくても白けているのに、協会審判部も少しは責任を感じてもらいたい。こんな状態が続くと、いくら新横綱が誕生しても衰退の一路になりかねない。老婆心ながら苦言を申し上げる。
 怒り心頭で帰館して、血圧を測ったら正常だった。まだ怒り方が足りなかったようだ。外に飯を食いに出る元気がない。頼りはルームサービスのみ。9日目に買った「カップきしめん」。意外とうまかった。もうひとつ残っているので、それで我慢するか。さびしい。(元横綱)
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