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国内最大級の鳥脚類恐竜 長崎で化石発掘 恐竜博物館など確認

2021年7月13日 05時00分 (7月13日 09時42分更新)

長崎市で発見されたハドロサウルス上科の左肩甲骨化石(手前)と複製を使って解説する宮田さん(左)と柴田さん=勝山市の県立恐竜博物館で


 県立恐竜博物館(勝山市)などは十二日、長崎市の長崎半島西海岸にある「三ツ瀬(みつせ)層」から発掘した恐竜化石が、鳥脚類では国内最大級となる草食の鳥脚類ハドロサウルス上科の左肩甲骨化石であることが確認されたと発表した。全長は九メートルと推定される。

白亜紀後期のハドロサウルス上科の鳥脚類恐竜のイメージ=長崎市教育委員会、福井県立恐竜博物館提供

 ハドロサウルス上科は、ほぼ全ての大陸に分布して二足歩行と四足歩行を併用し、白亜紀に繁栄した。化石は長さ九〇センチ、幅二〇センチ。三ツ瀬層は八千百万年前(白亜紀後期)の地層で、崖に露出しているのを二〇一六年に発見し、一七年に発掘。一八年から恐竜博物館で化石を取り出すクリーニングと修復、復元作業を始め、今年完了した。保存状態は良く、左肩甲骨の90%が残っている。
 これまでの鳥脚類の国内最大は北海道で発見された白亜紀後期のカムイサウルスの八メートル。勝山市で発見された鳥脚類で白亜紀前期のフクイサウルス(全長四・七メートル)や幼体のコシサウルス(同三メートル)に比べ、はるかに大きい。鹿児島県で一部の骨化石が見つかっている鳥脚類も全長九メートルと推定されている。北米などでは全長一五メートルの鳥脚類化石が確認されている。
 調査に携わった恐竜博物館主任研究員の宮田和周(かずのり)さん、柴田正輝さんによると、肩甲骨の肩側部分に弱いくびれがあり、背側部分の幅と広がり方などからハドロサウルス上科と判断した。進化的なハドロサウルス上科とさらに進化したハドロサウルス科にみられる背側の突起「肩峰突起(けんぽうとっき)」が背側へ突出している特徴も確認された。
 長崎では白亜紀後期のティラノサウルス科や小型獣脚類、よろい竜などの多様な恐竜化石が確認されており、宮田さんらは「群れで生息する生態系があったと分かる追加資料で、さらなる古生物資料の収集が期待できる」と話した。
 発表した化石の複製は十六日〜十月三十一日まで恐竜博物館で開かれる特別展「海竜・恐竜時代の海の猛者たち」で展示する。長崎市でも同期間、市役所や市立図書館、市科学館で順次、複製を展示する。 (山内道朗)

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