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<現地発ワールド経済> ロシア・「被害はデマ」 アスベスト採掘今も   

2021年7月10日 05時00分 (7月10日 05時01分更新)
ロシア中部にある世界最大の石綿産業都市アスベストの採石場

ロシア中部にある世界最大の石綿産業都市アスベストの採石場

  • ロシア中部にある世界最大の石綿産業都市アスベストの採石場
  • アスベスト市にあるアスベスト(石綿)の記念碑
 じん肺などの健康被害を引き起こし、日本や欧州で使用が禁じられているアスベスト(石綿)。ロシアでは今も採掘や建材としての利用が盛んだ。世界保健機関(WHO)も認定する石綿の危険性を「ウソ」と否定する、世界最大の石綿産業都市アスベストを訪ねた。 (ロシア中部アスベストで、小柳悠志、写真も)
 幅二キロ以上、深さ三百メートルを超えるすり鉢状の採石場を、貨物列車が発破で出た石を運んでいく。石綿の粉は風に流され、鉱山街がかすみがかって見える。
 アスベスト市で石綿採掘が始まったのは十九世紀末。耐熱性や絶縁性に優れた石綿は「夢の素材」としてソ連の工業化の原動力に。採石場の隣には鉱山街が形成された。
 「石綿が有害だと住民はみな知っている。鉱山で働いていた祖父の同僚らはやせ細り、ひどいせきを繰り返しながら死んだ」。案内してくれた自営業ユーリーさん(36)はこう語った。
 だが、人々が公には沈黙し、石綿採掘を続けるのはほかの産業がないからだ。石綿産業の労働者は一日に一人一リットルの牛乳が支給され、最近まで南ロシアに専用の保養所もあった。
 人口六万のアスベスト市で、石綿会社ウラルアスベストは七千人を雇い、市役...

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