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次のパリまで勝ち続けるように…競歩・山西利和 世界選手権でも淡々「勝っちゃった」【東京五輪連載】

2021年7月10日 06時00分

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五輪前のラストレースで軽快に歩く山西利和

五輪前のラストレースで軽快に歩く山西利和

◇東京五輪連載「挑戦2021 初の五輪延期を経て」
 この世でたった1人しかなれない世界一を手にしても、有史以来誰も経験したことがなかった五輪の1年延期に直面しても、感情を乱されることはなかった。山西利和(25)=愛知製鋼=は東京五輪の位置付けを「東京だけを見ていたら東京で勝てない。その先の世界陸上、次のパリくらいまで勝ち続けるイメージで突き抜ける強化方針でいけば、結果的に東京への近道になる。もともとそういうスパンで強化している」と明かす。
 2019年秋にドーハで行われた世界選手権男子20キロ競歩。この種目では日本人初となる金メダルを獲得し東京五輪代表に内定したが、ゴールの瞬間は実に淡々とした表情。「これで勝っちゃったかという感じ。もっと圧倒的な強さを見せたかった。2番手の選手がへたって僕が逃げ切ったような形になってしまったので」。高い理想を追い求めるが故だった。
 冷静沈着さは五輪延期に際しても同じだった。「そういうものかとは思ったが、競技観がぶれることはなかった。五輪がなくなったわけじゃない。年齢的にこの1年が致命的になるわけでもない。精神的にぐらつくことはなかった」。延期期間を強化に充て、昨年9月には5000メートル競歩で日本記録(当時)を樹立。東京五輪へ順調ぶりをうかがわせた。
 京大工学部物理工学科卒業という経歴を持ち、なおかつ世界一にして東京五輪代表のアスリート。文武両道の極みだが「田島直人さんという方が既にいるので僕は二番煎じ」とベルリン五輪三段跳び金メダリストの京大の大先輩を引き合いに謙遜する。だが1年延期となった自国開催の五輪という未知の舞台で金メダルを取ったら喜ぶのでは―。「その時の僕の感情によりますね」と明言はしなかったが、唯一無二の存在になるのは間違いない。
 ▼山西利和(やまにし・としかず) 1996年2月25日生まれ、京都府出身の25歳。164センチ、52キロ。陸上男子20キロ競歩。京大出、愛知製鋼。京都・堀川高3年時に世界ユース1万メートル競歩、京大4年時にユニバーシアード20キロ競歩をそれぞれ制する。19年世界選手権男子20キロ競歩金メダル。

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