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土石流、障害者の場奪う 伊豆山の作業所が閉所

2021年7月10日 05時00分 (7月10日 10時06分更新)
昨年、作業所敷地内の七夕飾りの前で記念撮影した利用者ら=熱海市伊豆山で(心象めぐみ会共同作業所提供)

昨年、作業所敷地内の七夕飾りの前で記念撮影した利用者ら=熱海市伊豆山で(心象めぐみ会共同作業所提供)

 熱海市伊豆山地区の土石流災害で、障害者の居場所も奪われている。伊豆山の「心象めぐみ会共同作業所」は建物の被災を免れたが、敷地は立ち入り禁止区域となり閉所されている。通っていた精神や知的、身体に障害がある成人十七人は活動拠点を失い、自宅で待機する。施設は九日、県に利用者の日常生活を取り戻せるよう支援を求める要望書を提出した。 (高島碧)
 施設は一九九四年に開いた。通所で伊豆山地区の清掃を請け負ったり、冊子の印刷やエコバッグ作りをしている。土石流発生日は、市が体の不自由な人に避難を呼び掛ける高齢者等避難を出したことを受け、休みにしていた。発生後は救急隊員の休憩所となっている。
 利用者の自宅待機によって保護者の負担が増している。「親族に協力してもらい、交代で見守っているが一人で外に出てしまう」「十年間の引きこもりからやっと作業所に通えていたのに残念」といった声が上がる。サービス管理責任者の山根さよ子さん(40)は「高齢の親も多く、作業所で発散していた力を家庭で引き受けるのは大変なこと。通所は社会性を身に付ける訓練でもある」と話す。
 要望書の提出には、山根さんと「県作業所連合会・わ」の三輪浜子理事長、全国の作業所が加盟する「社会福祉法人きょうされん」の鈴木裕子・静岡支部長が出席。県庁で要望書を受け取った増田吉則・障害者支援局長は「情報を収集する。積極的に相談してほしい」と応じた。
 熱海市障がい福祉室は七日、心象めぐみ作業所が一時的に使える場所を確保するため、市内の作業所に協力を呼び掛けた。現在、三カ所が施設の一部を貸し出す用意をしている。

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