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照ノ富士&白鵬の2人がどん底の間、他の力士は一体何をしていたのか…差は縮まるどころか開くばかり【北の富士コラム】

2021年7月9日 05時00分

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逸ノ城(右)を寄り切りで下す白鵬

逸ノ城(右)を寄り切りで下す白鵬

◇8日 大相撲名古屋場所5日目(ドルフィンズアリーナ)
 4日目はそろって苦戦をした白鵬と照ノ富士だが、5日目はしっかり立て直して5連勝とした。
 照ノ富士は押しの北勝富士との対戦。4日目は大栄翔の左のど輪に大きくのけぞり、終始、攻められ続けている。それだけに立ち合いが相撲の流れを決めるといえる。
 大栄翔に比べ北勝富士は押し相撲でありながら、真っすぐに当たることはまずない。左に体を開き、左からのおっつけを効かして出るタイプである。これは右四つの照ノ富士にとっては実にありがたい相手といえる。黙っていても右は差せる。
 予想通り北勝富士が左に変化して当たったが、すぐに右を差され左からガッチリ引っ張り込まれて攻め手がなくなる。照ノ富士は十分に引きつけ、あっさり小手投げで下した。連勝はしていても内容は苦戦が続いていた照ノ富士にとって、いい息抜きになったことだろう。
 白鵬にも同じことが言える。私はテレビの解説をしていたが、少しでも期待の大一番と思ってもらいたい一心で、胸を合わせたら逸ノ城にチャンスがある、逸ノ城の目付きが鋭くて何かやりそうだ、とにかく心にもないことを言ってしまった。誠に申し訳ないが、5日目は盛り上がりがない凡戦続きで、私も「あくび」を禁じ得なかったぐらいである。
 立ち合い、逸ノ城が踏み込んで先に左上手を引いた時は、本当に逸ノ城が勝つのではと思ったが、白鵬はいとも簡単にその上手を切ると、もろ差しで一気に寄り切った。楽勝もいいところ。私の顔は丸つぶれであります。余計な気は使うものではありません。
 照ノ富士と白鵬が強いのは認めるが、この2人がどん底にいる間、他の力士は一体何をしていたのか。差は縮まるどころか開くばかりである。白鵬も引退は時間の問題である。そして照ノ富士は横綱になるだろう。朝乃山も貴景勝も正代も横綱の道は一層険しくなってきた。絶望的と言ってもいいだろう。その間に豊昇龍あたりに先を越されるかもしれない。日本人の横綱は果てしなく遠い。
 話が暗くなってしまったが、真剣に考えないと、相撲の前途が危ぶまれてならない。うなぎを食い過ぎてふん詰まりになっている場合じゃない。
 ところでいよいよ食い物がない。なじみの知っている店はほとんど休んでいる。今年はもう、うまいものは食べられないようだ。諦めてルームサービスで間に合わせようか。
 ではお休みなさい。(元横綱)
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