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イチロー氏のラストメッセージ全文掲載 24回で大会に幕

2019年12月22日 18時45分

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熱っぽく語ったイチロー氏

熱っぽく語ったイチロー氏

 米大リーグ・マリナーズなどで活躍し、今年3月に現役を引退したイチロー氏(46)が22日、故郷の愛知県豊山町で自らが大会長を務める「第24回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席した。今年で最後となる同大会。イチロー氏はラストメッセージを送った。全文を掲載する。
 こんにちは、イチローです。毎年ここでその年、そのシーズンで感じたことをみんなの前でお伝えをしてきたんですけど、今回がイチロー杯でのみんなへのメッセージは最後になります。長い間、支えていただいた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。最後の大会でここにいる3チームのみんな、おめでとう。

 僕はこの春、現役を引退しました。そのときにイチロー杯のことが真っ先に浮かんでこれからどうしような、と考えました。これまで毎年ここでみんなにシーズンで感じたことをメッセージとして残してきたんですけども、それができなくなるということで、この決断に至りました。
 今年はシーズンというよりも、日本で9年、アメリカで19年間、プロ野球選手として過ごしてきて何かみんなに最後、伝えられればいいかなと思って今ここに来ました。
 2点あります。まずこれからみんなが野球を続けていくか、いくつまで野球を続けていくか分からないですけども、僕は先日、学生野球資格回復の研修に出てきました。合否については2月に明らかになります。まだ研修を受けたというだけで結果は分かりません。ただそれが可能になるのであれば、ひょっとしたらみんなとまた別の場所で会うことができるかもしれないので、なるべくみんなに野球を続けてほしいなと思います。

 そのときに感じたことは、今みんなは学校で先生にいろいろ教えてもらってると思うけど教える側の立場の人間、なかなか難しいらしいですね。先生たちよりも生徒の方が、力関係が強くなってしまっているという状況があるみたいで、このことに僕は心配してるというか、よく考えることがあります。
 みんなに伝えたいことは、先生たちから教えてもらえることで大切なこともいっぱいあります。みんなが謙虚な気持ちで先生を尊敬して、疑問に思ったりする、すごく大切なことだと思うんだけども、なかなか厳しく教育をすることが難しいみたいなんですって、先生たちは。だからみんなまだ小学生なんだけども、中学、高校、大学と社会人になる前に経験する時間、そこで自分自身を自分で鍛えてほしい、というふうに今、すごく大事なことだと思います。
 厳しく教えることが難しい時代に、誰が教育をするのかというと最終的には自分で自分のことを教育しなければいけないんだ、という時代なのかなと思います。僕は野球選手になって、学生のときはそういう風に思えなかった。厳しい先生がいたので…。今のみんなが生きてる時代はそれがすごく大切になるということを覚えておいた方がいいかもしれないですね。それはお父さん、お母さんも覚えておいてほしいことですね。

 もう一点。これも時代だとは思うけどいろんなことが情報としてすぐ頭に入れられる時代、スマホで調べればいろんなことがわかる時代になりました。世界が近くなったと思えるけど、僕が28歳のときにアメリカに渡って、大リーグに挑戦したんですけど、外に出て初めてわかること、調べればもちろん知識としては分かることであっても行ってみて初めて分かることがたくさんあって、傷つくこともあったり、楽しいことももちろんある。びっくりすることもいっぱいありました。ただ知識として持っておくのではなくて、体験して感じてほしい。
 それで自分の国、自分の育った日本という国は素晴らしいってことを外に出てすごく感じたというね、そういう経験をみんなにはしてほしいなと思います。今まで当たり前だったことは決して当たり前ではないということに気づくような、価値観が変わるような体験をしてほしいと思いますね。これはいつものシーズンのメッセージとは違うメッセージなんですけど、28年のプロ野球生活を終えて僕が強く感じてることなので、ぜひみんなに覚えていってほしいなと思います。

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