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ECMO装着、コロナと闘う兄弟子に…白鵬が送った動画、四股の音だけでも聞いてもらいたかった【大相撲】

2021年7月4日 20時52分

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掛け投げで明生(右)を下す白鵬

掛け投げで明生(右)を下す白鵬

◇4日 大相撲名古屋場所初日(ドルフィンズアリーナ)
 完勝とは言えないかもしれない。冷や汗をかいたという人だっているだろう。だが、111日ぶりの白星がどれほど価値あるものだったか、横綱白鵬の顔を見れば分かる。
 明生相手に掛け投げで勝利を決めた瞬間に奥歯をかみしめ、まゆをつり上げ、グッと拳を握り締めた。進退をかけた瀬戸際にきてなお、あふれ出る気迫。「白鵬ここにあり」。そう知らしめているようだった。
 リモート取材の第一声は元気いっぱいの「お疲れさんです!」。やはり土俵は力をくれる。「いやほんと、いろんな思いがあるし。しゃべったらきょう終わりません、ぐらい。『ただいま』って感じ。(拍手は)気持ちよかったです。経験とうまさで上回ったって感じですね」。気迫のこもった表情の謎を尋ねられたときは「まあそれは千秋楽に言います」とけむに巻いた。
 兄弟子も天国から見守ってくれていた。2日の午前1時半ごろだったという。入門した時からお世話になった兄弟子で、元幕内光法の峯山賢一さんが亡くなった。
 横綱が名古屋へ移動したのは先月27日。初日へのカウントダウンが始まる中で、横綱は回復を信じて四股を踏む自身の姿をスマホで撮影した。峯山さんの親族へ届けるためだった。
 コロナに感染した峯山さんは、名古屋市内の病院に入院した直後の5月中旬に症状が悪化。人工心肺装置(ECMO)を装着し1カ月以上も闘っていた。
 峯山さんに意識がないことは知っていた。四股を踏む音だけでも聞いてもらいたかった。「邪気を払うように四股を踏みます」と口頭でメッセージを添えた。
 それまでお見舞いに訪れていた人によれば、手を握って呼びかけたら、峯山さんの目から涙がこぼれ落ちたという。きっと四股を踏む音も届いたはずだ。
 3月には右膝に3回目のメスを入れた。四股を踏めるようになったのは夏場所後の5月下旬。東京五輪開催のため、通常より1週間早い初日。稽古を十分にできたとはいえなかった。右足を軸にすることを回避。この日はいつもの左足ではなく右足から踏み込んだ。

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