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劇的イーグル逆転優勝の鈴木愛「やっとドロ沼抜け出せた」失意の女王が梅雨明け【女子ゴルフ】

2021年7月4日 20時06分

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キャディーの飛田愛理さん(左)とトロフィーを手に笑顔の鈴木愛

キャディーの飛田愛理さん(左)とトロフィーを手に笑顔の鈴木愛

◇4日 女子ゴルフ・資生堂レディスオープン最終日(横浜市旭区・戸塚CC西C)
 前日の日没サスペンデッド(順延)により、第1ラウンドの未消化分を終えた後、最終ラウンドに突入。1打差2位グループから出た鈴木愛(27)=セールスフォース=が16番の劇的イーグルで混戦を抜け出し、通算10アンダーで逆転優勝を飾った。2019年11月、3週連続Vを決めた伊藤園レディス以来、1年8カ月ぶりのツアー通算17勝目。1打差9アンダー2位に勝みなみ(23)=明治安田生命=と西郷真央(19)=大東建託=が入った。
 何度も何度も涙があふれた。鈴木にとって苦しすぎた1年半。「何をやってもうまくいかなくて…。自分と比べるのが怖くて、他の選手のことを見ることもできなくなってました。本当に自信がなかった」。喜びの瞬間は突然、梅雨空のすき間からやってきた。
 首位に1打差で最終ラウンドをスタートしたこの日も、前半で3つスコアを伸ばしても、勝負どころの16番パー5で97ヤードの第3打をカップインさせてイーグルを奪っても「一昨年ぐらいだったら ああ、今日は私の日かな と思ったかも知れない。だけど、私がイーグル取れるなら他の選手も取るし…としか思えなかった」という。
 それでも単独首位に立って迎えた「17番の1・5メートル、18番の1・2メートル。2つのパーパットは緊張の中でも落ち着いて打てた。練習を続けてきて本当に良かった、そう思えた大きな2打になりました」。大詰めは鈴木の代名詞ともいえる絶妙のパッティングで乗り切り、遠すぎた17度目の優勝にたどり着いた。「長かった。やっとドロ沼から抜け出せました」。
 闘志を前面に押し出すプレースタイルで2度賞金女王に輝き、19年には3週連続Vも含む年間7勝を手にした。それがコロナ禍でトーナメントの中止が相次ぎ、無観客試合が続いた昨年からおかしくなった。「ギャラリーのみなさんがいない、応援の声が聞こえない、ってことが私には一番きつかった。すごく寂しくて、気合も入らなくて」。優勝はおろか、V争いに加わることさえできなくなっていった。
 前週までの3試合は、いずれも優勝経験のある得意大会。それが予選落ち、体調不良での途中棄権、予選落ち。ドン底だった。「でも今週、どこ向いているか分からなくなっていたアドレスが、やっと真っすぐ構えて振り切れるようになったんです」と、鈴木の『かつての日常』を取り戻したところだった。
 「4月の上田桃子さんの優勝も、私の中ですごく大きかった。報道記事を読んで桃子さんもそんなに苦しんでいたんだ、ってメッチャ勇気をもらったんです」とも明かした。2人目の女王復活は、また誰かの勇気になるに違いない。

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