本文へ移動

何度も何度も試練を乗り越えた桃田賢斗 消えぬ闘争心こそが「自分を強くさせてくれた」【東京五輪連載】

2021年7月3日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
桃田賢斗

桃田賢斗

◇東京五輪連載「挑戦2021 初の五輪延期を経て」
 久々の緊張感が心地よかった。2020年12月、バドミントン全日本総合選手権(東京・町田)。男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26)=NTT東日本=は11カ月ぶりの実戦を迎えていた。「つらい時期もあった。ここでおりるわけにはいかない、そういう気持ちが自分を強くさせてくれた」。感慨を口にした。
 五輪が迫った20年1月、桃田は遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれた。運転手は死亡し、桃田自身も大けがを負って入院。見舞った日本代表の朴柱奉ヘッドコーチ(56)には「まだバドミントンはできますか?」ともらした。心身に大ダメージを負った。
 リハビリを終えてコートに戻ると、今度は五輪そのものが1年延期に。国内外の大会も次々と消え、「モチベーションが下がることはなかったが、練習へのマンネリを感じた」。桃田は夏に母校の福島・ふたば未来学園で個人合宿。後輩と一緒にシャトルを追うなどして、闘争心を保った。
 復帰戦となった全日本総合では苦戦しながらも3連覇を達成。「自分も楽に世界1位になったわけじゃない」と語った。21年の年明けには新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となるアクシデントもあったが、3月の全英オープンで8強入り。無敵を誇った19年シーズンの力を徐々に取り戻している。
 16年リオデジャネイロ五輪には違法賭博問題で出場がかなわず。以降、何度も試練を乗り越えてきた。その生きざまは、超人的なフットワークでシャトルを拾い続けるプレースタイルにも重なる。桃田は「母国で五輪が開催されるのは奇跡。日本のエースの自覚を持って挑む」。シングルスで日本勢初の金メダルは、手の届くところにある。
▼桃田賢斗(ももた・けんと)1994年9月1日生まれ、香川県出身の26歳。175センチ、72キロ。バドミントン男子シングルス。福島・富岡高出、NTT東日本。小中高で日本一に輝き、2012年世界ジュニア選手権優勝。18年に日本男子として初めて世界選手権を制し、19年に2連覇。世界ランキング1位
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ