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輪島の漆器店、金沢にレストラン 豪華工芸で本格和食を

2021年7月3日 05時00分 (7月3日 05時03分更新)
「食事の時間を通じて県内伝統工芸品の魅力を知ってほしい」と話す田谷昂大さん(左)と奥村仁さん=金沢市木倉町のクラフィートで

「食事の時間を通じて県内伝統工芸品の魅力を知ってほしい」と話す田谷昂大さん(左)と奥村仁さん=金沢市木倉町のクラフィートで

7日オープン 県民に魅力アピール

 輪島市の輪島塗をはじめ県内伝統工芸品の魅力を発信しようと、同市杉平町の「田谷漆器店(たやしっきてん)」は7日、金沢市木倉町にレストラン「CRAFEAT(クラフィート)」をオープンする。輪島塗や九谷焼などの豪華な食器を使い、県産食材にこだわった和食を提供する。10代目の田谷昂大(たかひろ)さん(30)は「県内でも輪島塗に触れたことがない人が多い。食事を通じて地元の人にこそ伝統工芸の素晴らしさを知ってほしい」と話している。 (加藤豊大)
 店名は工芸を意味する英語「クラフト」と食べるの「イート」を掛け合わせた。食器は手や口にしっとりと心地よく吸い付くような輪島塗のわんやれんげ、箸などのほか、九谷焼や珠洲焼、山中塗の皿など県内工芸品のみを使用。中には五十万円以上の輪島塗のわんもある。田谷さんは「例えば輪島塗は高級品や芸術品のイメージもあるが、普段使いとしてどれだけ使い心地がいいかも伝わるはず」と言う。
 料理は、加賀棒茶葉でいぶしたノドグロの薫製や、数種類の地元産ハーブで味わう能登牛のハンバーグなど、有名な県産食材も「誰も食べたことがない」(田谷さん)調理法で提供。料理人の奥村仁さん(42)が自ら畑で野菜を収穫したり、酒蔵から仕込み水を受け取ったりと、県内全域を駆け回って素材を厳選して集める。
 コロナ禍の百貨店不況などで輪島塗業界が大打撃を受ける中、田谷漆器店は輪島塗の定額レンタル事業や料理用へらのインターネット販売といった新たなアイデアで、全国に販路を開拓してきた。海外向けの輪島塗のネット販売も好調だ。
 それでも大学進学後から都内で暮らし、五年前に創業約二百年の漆器店を継ぐため実家に戻った田谷さんは「輪島塗がこの先も伝統工芸やブランドとして生き残り愛されるためにも、石川の人にこそアピールしたい」と語る。「使ってもらえれば必ず良さが伝わる。クラフィートが県内伝統工芸の発信地になり、購入してもらうことにもつなげられたら」と話した。
 レストランは二フロアで、二階(午後五〜十一時開店)は会員限定の予約制コース料理(税込み八千円)専用。年会費は一万円で、県内工芸作家の育成などに活用する。一階は誰でも気軽に入ってもらえるよう午後一〜五時にギャラリーカフェとして開き、同五時以降は同三千円のコース料理を提供する。県内伝統工芸品などを展示・販売もする。(問)クラフィート090(4740)4177

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