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清水港、揺れる「冷凍マグロ日本一」 水揚げの裏付けなく

2021年7月2日 05時00分 (7月2日 05時03分更新)
清水港に水揚げされる冷凍マグロ=清水港マグロまつり実行委員会提供

清水港に水揚げされる冷凍マグロ=清水港マグロまつり実行委員会提供

  • 清水港に水揚げされる冷凍マグロ=清水港マグロまつり実行委員会提供
 冷凍マグロの水揚げ量日本一を掲げてきた静岡市の清水港(清水区)が、今年からその看板を掲げられない状態になっている。一般社団法人「清水漁港振興会」によると、コロナ禍で水産庁のまぐろ需給協議会が休会となり、基礎統計が発表されなくなったことが原因。関係者は困惑しながらも、「日本一」ブランドを守るべく、裏付けとなる別の根拠を探している。(五十幡将之)
 「まぐろ需給協議会が、本年から廃止されたことに伴い…清水港が冷凍刺身まぐろ水揚日本一がうたえなくなりました事をご理解下さい」
 振興会が毎年作成し、五月に最新版が発行された統計集「漁港・しみず」に、こんな前書きが掲載され関係者を驚かせた。
 水産庁によると、冷凍マグロの港別水揚げ量は市場を通じて集計される。しかし、取扱量が多い清水港では、企業や商社が冷凍運搬船と呼ばれる大型船や漁船のマグロを船単位で直接買い上げる取引形態が一般化しており、市場を介した取引はほとんどない。
 清水漁港振興会が独自集計した二〇一九年の同港の冷凍マグロ水揚げ量は約九・三万トンに上る。しかし、市場を通じて集計した水産庁の統計では十分の一の約九千トンにとどまっている。
 そのため、振興会はこれまで水産庁のまぐろ需給協議会で報告される冷凍マグロの国内総供給量を基に、国内での立ち位置を調査。例年、水産庁がまとめる総供給量に対し、振興会が独自集計した水揚げ量が約半数を占めることから日本一を掲げてきた。
 しかし、コロナ禍を理由に昨年からまぐろ需給協議会が休会。総供給量が発表されなくなったことから、振興会では今年から積極的に日本一を掲げることを控えている。
 清水港に多い冷凍マグロは輸入貨物として税関で扱われるため、財務省の貿易統計の活用を模索する動きもあるが、港別で集計されていないなど課題も多い。
 清水港のマグロの水揚げ量日本一を巡っては、振興会が〇一年からうたい始め、静岡市も〇七年から宣伝や広報、営業活動の一環として活用。同年から日本一を掲げた清水港マグロまつりを開催しており、市や県のホームページでも日本一の記載がみられる。
 現在、清水漁港振興会と静岡市などは統計手法を再確認している。振興会の川島基資常務理事は「日本一と言えるかどうかは大きな違い。早急に裏付けを進め、港の振興につなげたい」と話す。

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