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北京金から13年の空白…それでも上野由岐子は恨み言を封印「やると決めたら後悔しない準備」【東京五輪連載】

2021年7月2日 06時00分

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上野由岐子

上野由岐子

◇東京五輪連載「挑戦2021 初の五輪延期を経て」
 4年に一度の五輪が単に1年延びたわけではない。3月の東京五輪ソフトボール代表発表会見。上野由岐子投手(38)=ビックカメラ高崎=は2008年北京五輪を思い起こし、こう語った。「思いが北京とは全然違う。13年の月日がたっている」。五輪種目からの除外と復活、さらに五輪延期まで加わっての「13年」。万感がこもった。
 上野が言う「13年の月日」は、アスリートにとってあまりにも長い。16年には左膝の故障で世界選手権を欠場。19年には打球が直撃し、左顎を骨折した。30代半ばを過ぎ、体力、回復力、全てが下り坂に差しかかる。この状況での1年延期が心身に与える影響は、推して知るべしだ。
 それでも、上野は恨み言を封印した。新型コロナウイルスの感染拡大で国内リーグも休止となる中、「五輪の延期でスキルアップする時間ができた」とポジティブに思考を転換。新しい変化球の習得にも挑戦した。
 投球スタイルは、伝説的な「上野の413球」で金メダルの原動力になった北京五輪からモデルチェンジしている。当時は剛速球で打者をねじ伏せた。しかし今は「あのときのような投球はできない」という。現在でも球速は国内トップ級の110キロ台を維持しているが、打者の手元で球を動かし、芯を外す投球が主体だ。
 変わらないのは、エースという役割。宇津木麗華監督(58)は「五輪では上野を中心としたソフトをやっていく」と絶対的な信頼を寄せる。「正直もう一度、五輪の舞台に立つとは思っていなかった。やると決めたら後悔しない準備をする」。レジェンドの最終章が幕を開ける
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