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手を借りて打つ勝負の一手 棋会の常連、亀山の障害者男性

2021年6月28日 16時00分 (6月28日 16時00分更新)
「碁敵」の前田佳昭さん(左)と囲碁を楽しむ宮村孝博さん(右)=三重県亀山市のcafeぶんぶんで

「碁敵」の前田佳昭さん(左)と囲碁を楽しむ宮村孝博さん(右)=三重県亀山市のcafeぶんぶんで

  • 「碁敵」の前田佳昭さん(左)と囲碁を楽しむ宮村孝博さん(右)=三重県亀山市のcafeぶんぶんで
  • 碁石を置きやすいように数字が振られた盤面
 三重県亀山市のカフェの一角では毎週、囲碁盤を三人で囲んで対局が繰り広げられている。生まれつき脳性まひで、身体や言語に重度の障害のある宮村孝博さん(46)=同市関町富士ハイツ=は、手足を自由に動かせないため、訪問介護士の手を借りて碁石を打つ。「障害者でも健常者と対等に戦える」。白い歯がこぼれる口元に、勝負師としての自信がのぞく。 (鎌田旭昇)
 車いすを囲碁盤の横に付け、横目で盤面を見る。「4の十五」と声を振り絞ると、介護士の吉井聡美さん(40)が碁石をさっと置く。ルールを知らない吉井さんのために、碁盤の縦横の線には「5」「十九」などの数字が書かれている。「勝てるかも」。優勢になり、思わず宮村さんの表情が緩んだ。
 宮村さんはトイレや食事の介護が欠かせず、車いすで生活している。手足が勝手に動いてしまう「アテトーゼ型」と呼ばれる脳性まひ。運動機能に障害があり、発音もうまくはできない。ただ、知的障害はなく、作文し、思考することができる。
 囲碁は、特別支援学校の中学部の時、担任の勧めで始めた。「負けず嫌い」な性分といい、すぐにのめり込んだ。カフェで週一回開かれる碁会は、JR亀山駅で偶然目にしたチ...

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