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【石川】描く「生」の尊さ 病越え海越える パリ・ルーブル隣接会場の展示会出品へ 中能登移住 画家たけおまりこさん 

2021年6月28日 05時00分 (6月28日 10時12分更新)
「見た人が癒やされ、わくわくした気持ちを感じてもらえたら」と話すたけおまりこさん=石川県中能登町芹川で

「見た人が癒やされ、わくわくした気持ちを感じてもらえたら」と話すたけおまりこさん=石川県中能登町芹川で

  • 「見た人が癒やされ、わくわくした気持ちを感じてもらえたら」と話すたけおまりこさん=石川県中能登町芹川で
  • 展示会「サロン・アート・ショッピング・パリ」に出品されるアクリル画作品「Reborn」=たけおまりこさん提供

 六月に名古屋市から石川県中能登町に移住した神戸市出身の画家たけおまりこさん(29)=雅号=が、パリのルーブル美術館近くで十月に開かれる展示会「サロン・アート・ショッピング・パリ」にアクリル画を出品する。手足の筋力などが弱くなる難病を克服しての晴れ舞台。「見た人が癒やされ、わくわくした気持ちを感じてもらえたら」と話す。 (大野沙羅)
 愛をテーマに「流れるままに筆を執っていくスタイル」で、自然、宇宙、生物を題材に色鮮やかなアクリル画や水彩画などを描く。
 出展作「Reborn(リボーン)」はコロナ禍をへて「新しい世界に入っていく」という意味を込めた。幻想的な青い世界を表現し、金箔(きんぱく)をちりばめた。縦二十四センチ、横三十三センチ。十月二十三日から三日間、出品する。会場はルーブル美術館と地下通路で直結する大型商業施設で、美術館鑑賞者らが多く来場し、世界的に注目が集まるという。
 二〇一八年八月から画家として活動を開始。同県七尾市の能登島に住む友人を通じ依頼を受け、同市竹町のスポーツジム「ノトアフィットネスクラブ」の壁に描いたのが初仕事となった。昨年二月には米ニューヨークで開かれた「Made in Japan 2020」に出品。そこで今回の出展の提案を受け、ルーブル美術館近くでの展示が決まった。
 十年ほど前、手足の筋力が弱くなるなどの難病ギランバレー症候群を患い「明日の朝、まぶたが開くか分からない」ような経験をした。一カ月の入院、一年間の治療を経て「生きていること自体が素晴らしく、全ての命がいとおしい。多くの人が違いを受け入れたら手を取り合って生きていけるんじゃないか」と考えるように。「やりたいことをやろう」と旅行に出掛けるようになった。
 昨年三月、南米ペルーを訪れ、体験教室などで人々と交流した。コロナ禍で帰国できず一週間の滞在予定は一カ月に。改めて生きることの尊さを痛感。これまでの生き方が「Reborn」として結実した。
 結婚を機に中能登町芹川の古民家に夫と移り住んだのは、初仕事で七尾を訪れた際、自然に魅了され「住むなら石川」と決めていたから。自宅とアトリエを兼ね「表現の楽しさを知ってもらえたら」と体験教室を開くことも考える。「純粋に自分が感じることを大事にしたい」

 ギランバレー症候群 体の各部分に分布する末梢(まっしょう)神経の障害により、四肢や顔、呼吸器官にまひが起こる。歩行不能や呼吸不全に至ることもある。細菌やウイルス感染などが原因で1〜3週後に発症し、血漿(けっしょう)中の有害物質を除いてから体内に戻す療法などで治療。完全回復することが多いが、後遺症が残る場合もある。


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