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渋野日向子、五輪絶望的も周囲に感謝 キャディー陽性で不安の中、ラウンドやり遂げ涙【全米女子プロ】

2021年6月27日 16時34分

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渋野日向子(AP)

渋野日向子(AP)

◇26日 ゴルフ・女子メジャー 全米女子プロ第3日(米ジョージア州、アトランタ・アスレチックC)
 【ジョンズクリーク(米ジョージア州)テッド・ムース】渋野日向子(22)=サントリー=がコロナ騒ぎに巻き込まれた。その影響でパー3のホールで「10」を打ち、76と大きく崩れて通算6オーバー、68位に後退した。首位とは21打差で、優勝に準じる成績なら東京五輪日本代表入りの可能性を残しているが、かなり厳しくなった。笹生優花(20)=ICTSI=も75と乱れ、通算2オーバーの42位。通算15アンダーのトップにネリー・コルダとリゼット・サラス(いずれも米国)が並んだ。
 ◇  ◇  ◇
 大会後に日本に帰る渋野は、飛行機に乗るのに必要な陰性証明書をもらうため、前日(25日)午後2時30分ごろにチームで検査を受けたところ、藤野佳祐キャディーにだけ陽性反応が出た。藤野キャディーは病院で詳しい再検査を受けたが、結果は26日朝まで出ず、濃厚接触者の渋野が第3ラウンド(R)をプレーできるかどうかも分からない状態に。結局、渋野だけコースに来て改めて検査を受け、陰性となった。
 だが、マネジャーやトレーナーもコースに入れず、バッグを担いでくれる人がいない。大会側からセルフは駄目だと言われ、地元でキャディーとして働いているユセフ・ワゼールディンさんが急きょ来てくれた。もちろん初対面、しかも渋野は英語での会話に不安があり、細かい意思疎通はできない。距離計算はメモと計測器を使い、自分だけで判断した。
 それが前半の17番パー3で悪い方に転がった。第1打を池に入れたため、ティーイングエリアとグリーンの間にあるドロップゾーン(DZ)に向かった。ところが、そこから何度打ってもグリーンに届かない。結局池に4発入れ、9オン1パットの「10」になった。
 「実はDZは3つあって、使っているのとは別の一番前のところから残り距離を計算していた。それに全く気づけないくらい動揺しちゃってた」。しばらくは元気なくうつむいて歩いた。それでも後半は3つバーディーを決めた。「本当に不安だらけというか、回り切れてよかった」と、アクシデントの中でのラウンドをやり遂げて、涙が止まらなかった。
 第3Rは結局4つ落とし、順位も予選通過者中でBBにまで落ちた。五輪代表の座は絶望的だ。だが、渋野にはもう、どうでもいいことなのかもしれない。「つらい中、(日本人観客の)みなさんの声援が力になって、最後まで頑張れた。ユセフさんは日本語が全然できないけれど、めちゃくちゃいい人で、めちゃくちゃ助けてもらった。(藤野キャディーも)普通に元気。全然大丈夫だし、ご飯も食べていた」。五輪にも負けない大きな経験をし、感謝と周囲への気づかいばかりを口にした。

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