本文へ移動

高1社長 夢包む大福 金沢出身・薄井さん 都内に店

2021年6月27日 05時00分 (6月27日 10時57分更新)
店頭で商品を紙袋に入れる薄井華香さん=東京都世田谷区の「金沢フルーツ大福凜々堂 経堂店」で(薄井さん提供)

店頭で商品を紙袋に入れる薄井華香さん=東京都世田谷区の「金沢フルーツ大福凜々堂 経堂店」で(薄井さん提供)

「フルーツの廃棄 なくしたい」

 金沢市出雲町出身で、春に東京都内の通信制高校に進学したばかりの1年生薄井華香(はるか)さん(15)が今月、都内に「金沢フルーツ大福」の専門店をオープンした。青果の仲卸業をする両親の元で育ち、傷があるだけで捨てられる野菜や果物を見て「フードロスをなくしたい」と決心。「加工で売れるようにして農家の方を応援したい」。夢への一歩を踏み出した。(寺田結)
 大福はイチゴやミカンなど、雇った従業員とともに全国から取り寄せた果物を白あんと餅で包む。開店初日の十九日には客の行列ができ、用意した三百個を二時間で完売。慌てて追加した百個も三十分で売り切れた。客から「頑張ってね」と温かい言葉もあり、「応援してくれる人を裏切れない」とやる気は満々だ。
 両親は、金沢市西念の青果仲卸会社「薄井青果」を経営。家にはいつも廃棄の野菜や果物が詰められた段ボール箱があった。「端を切ったら使えるものばかり。おいしいのに、多すぎて食べきれなかった」
 中学生時代に漠然とあった目標は起業すること。「勉強も運動も得意じゃない。友達には『何で薄井が』って言われた。そんな自分を変えたかった」。起業を学べる高校に入るため一人で東京へ。スーパーでアルバイトを始め、再び大量に廃棄される食材を見たことが転機となる。「世の中には、食べられない人もいるのに。もったいない」
 解決の手掛かりを求め、学生らが集まる交流スペースを訪問。人に出会う度に「廃棄をなくしたい」と思いをぶつけた。そこで偶然出会った「金沢フルーツ大福凜々堂(りんりんどう)」(金沢市)の経営者から、フランチャイズ契約の相手を探していると聞き、「やります」と挙手。貯金と父親から借りた資金で、会社を設立した。
 大福販売でフードロスを減らせるわけではない。果物を切って残った部分を使う方法を考えていく。「スムージーにしたい。ケーキやタルトにも使える」と、高校生社長のアイデアは尽きない。「石川のおいしい果物も使いたい」とも話す。
 会社は、イタリア語でタンポポを意味する「Soffione(ソッフィオーネ)」と名付けた。「綿毛で広がり、新たな花を咲かせる。お客さんの笑顔もあちこちで咲いたら良いな」
 店は東京都世田谷区経堂一の二六の一一、金沢フルーツ大福凜々堂経堂店。定休日なし。問い合わせは=電090(9447)6950=へ。

関連キーワード

PR情報