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<あいちの民話を訪ねて> (40)腹切り地蔵(新城市)

2021年6月27日 05時00分 (6月27日 05時00分更新)
表参道の石段脇で参拝者を迎える腹切り地蔵=新城市門谷で

表参道の石段脇で参拝者を迎える腹切り地蔵=新城市門谷で

  • 表参道の石段脇で参拝者を迎える腹切り地蔵=新城市門谷で
  • 緑深い鳳来寺山=新城市門谷で
 新城市の鳳来寺の本堂へ続く参道の千四百二十五段の石段を上ると、六百段目あたりで僧坊「松高院」の向かい側に、腹の切れた地蔵を見つけた。像の高さは約一メートルで、斜めに一直線に亀裂が入っている。
 真っ二つになっているが、不安定感はない。石垣に背中を預け、参拝者にほほ笑みかけているように見える。麓にある「おかめ茶屋」の竹下三七子さん(67)は「見どころの仁王門や傘杉を過ぎた後の場所にあるので、あまり案内することはない」と話す。
 伝承によると、江戸時代の頃、鳳来寺山には怪物がすんでいた。退治することで罪滅ぼしをしようと考えた男が切りかかると、怪物は消え、代わりに腹の切れた地蔵が残されていたという。
 鳳来寺山表参道で硯(すずり)店「清林堂」を営む足木勇さん(72)によると、山は殺生禁断の地とされ、多くの逃亡者が潜んでいた。「『殺生禁断』はかつて、殺傷事があったことの証しかもしれませんね」と推測する。
 松高院は、今も建物が残る無住の僧坊。古くは源平合戦の戦乱から逃げ延びた者をはじめ、さまざまな事情を持つ者が身を寄せたという石段脇の僧坊群は、明治時代の「廃仏毀釈(きしゃく)」をきっかけにすっかり廃...

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