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私たちの髪 誰かのために ヘアドネーション 夫の他界後に6年間伸ばし寄付

2021年6月27日 05時00分 (6月27日 11時22分更新)
カットした髪を手に笑顔の井川真弓さん(左)と未芽唯さん=能登町崎山の美容室「花簪」で

カットした髪を手に笑顔の井川真弓さん(左)と未芽唯さん=能登町崎山の美容室「花簪」で

  • カットした髪を手に笑顔の井川真弓さん(左)と未芽唯さん=能登町崎山の美容室「花簪」で
  • 伸ばした髪をカットする井川未芽唯さん(中央)=能登町崎山の美容室「花簪」で

◇穴水の井川さんと孫の未芽唯さん

 穴水町大町で造園業を営む井川真弓さん(65)と、孫で金沢市諸江町小学校五年の未芽唯(みめい)さん(10)が二十六日、医療用かつら向けに髪を寄付する「ヘアドネーション」のため、長く伸ばした髪をカットした。夫の国雄さん=享年五十八=が六年前にがんで亡くなったのをきっかけに髪を伸ばし始めた井川さん。話を聞いた未芽唯さんも協力し、二人は「誰かの役に立てれば」と願う。 (森本尚平)
 「思ったより軽いなあ」。約六年間、伸ばし続けた髪の束を手にした井川さんは未芽唯さんと笑う。「孫と一緒にできるなんて一生に一度のこと」とほほ笑んだ。
 二〇一五年二月、夫の国雄さんが、がんで他界。生前一年に一回は必ず献血に協力していた夫が輸血を受ける様子に、井川さんは以前テレビで見たヘアドネーションに協力することを決心した。「とくに女の子は病気で髪がないことはさみしい。何か役に立てることがあるならやってみたい」と髪を伸ばし始めた。
 その姿を見た未芽唯さんも「人を笑顔にできるなら私も髪を伸ばしたい」と協力。もともとは肩の上くらいの髪の長さだったが、二年生の頃から髪を伸ばすようになった。
 この日、二人はヘアドネーションを受け付けている能登町崎山の美容室「花簪(かんざし)」を訪れ、腰くらいまで伸びた髪にはさみを入れた。店主の山崎志津さん(43)は「お母さんと娘さんが多く、お孫さんと一緒にというのは初めて。すてきなこと」と話し、丁寧にカットしていった。寄付に必要な三十一センチ以上を切り、未芽唯さんは「新しい自分になった気がする。髪の毛を必要とする人に使ってほしい」とはにかんだ。
 カットした髪は美容室を通じて、NPO法人「ジャパン・ヘアドネーション・アンド・チャリティー(JHD&C)」(大阪市)に送られる。井川さんは「六年間、特別なことをしてきたわけではないけど、日々できるケアをしながら大事に伸ばしてきた。孫も自分なりに考えて寄付することを考えてくれたのがうれしい」と目を細めた。

【メモ】ヘアドネーション=小児がんや先天性の脱毛症、事故などで頭髪を失った子どもたちのため、高価な医療用ウィッグを髪の寄付を募って作り、無償で提供する活動。米国で行われていた活動で、日本では2009年に「JHD&C」が始めた。寄付には一般的に31センチ以上の長さが必要で、染めたり、パーマをかけたりした髪でも寄付が可能。


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