本文へ移動

中日春秋

2021年6月26日 05時00分 (6月26日 05時01分更新)
 アーノルド・シュワルツェネッガーさん演じる殺人ロボットは、突然ロサンゼルスに現れると、電話帳で狙った人を調べ出しては、襲い始める。一九八四年公開の映画『ターミネーター』の設定では、人間と機械が戦う二〇二九年の未来からこの「兵器」はやってきたことになっている
▼今からわずか数年後の世界である。機械との戦争は起こりそうにはないが、「ターミネーター誕生の現実味」という雑誌記事は五年前に掲載されていた。ニューズウィーク日本版である。いわく「あいにく自律型兵器システムの出現はそんなに遠い未来の話でないかもしれない」
▼警鐘がならされた未来に、人間は少し近づいたようである。人間の介在なしに攻撃する自律型の殺人ロボット兵器がリビアの内戦で、使われたとみられるという。国連安全保障理事会の専門家パネルの報告書の指摘である
▼トルコ製の小型無人機で、兵士らを追尾、攻撃したともいう。映画の自律型兵器とは姿形や能力が異なるが、本当であれば、世界初の実戦投入であった可能性がある
▼機械に攻撃の判断を委ねることのおぞましさへの反発は、大きくなっていたが、恐ろしい未来のほうに一歩近づいたか
▼映画のシリーズには人間が涙を流す意味を理解するターミネーターも登場する。戦場には必要のない機能に違いない。このタイプは現実味がなさそうである。

関連キーワード

PR情報