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中山間地でこそ 無農薬栽培

2021年6月25日 05時00分 (6月25日 10時20分更新)
中山間地の魅力を見に来てほしい、と呼び掛ける渡辺吉一さん。周りの緑は息をのむほどに美しい=富山県南砺市小院瀬見で(中島健二撮影)

中山間地の魅力を見に来てほしい、と呼び掛ける渡辺吉一さん。周りの緑は息をのむほどに美しい=富山県南砺市小院瀬見で(中島健二撮影)

 空気もよければ、水もいい。人間にとって極上の環境は米にとってもいいに決まっている−。富山県南砺市の山あい、小院瀬見(こいんぜみ)地区の農地で稲作や畑作を続ける渡辺吉一さん(65)はうれしそうに、水田で風に揺れるまだ青い稲を見つめた。
 狭くて急な地形だから農地は狭く、収量も少ない。でも、無農薬で除草剤も使わず丁寧に育てた米は、市販価格の三倍ほども高いのに売れ残ることはないそうだ。作業は大変でも、多くのファンに喜ばれ、楽しい人生を自負する。
 深刻な悩みがあった。地域の中の担い手は高齢化し少なくなるばかり。渡辺さん自身も将来が不安−と思っていたら驚くことが起こった。この春、意欲にあふれる二人の女性が、渡辺さんの農業に入門してきた。
 思いは同じ。中山間地の環境にほれ込み、いいものを作って地域も農業も守りたい。初夏の青空の下で笑顔が輝いた。農業は実は懐が深く、やりがいはつきないのかもしれない。(中島健二)
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