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【石川】ブルーベリー壊滅 能登町特産 大打撃 マイマイガ幼虫大発生

2021年6月25日 05時00分 (6月25日 09時50分更新)
特産のブルーベリーに食害をもたらしたマイマイガの幼虫(5月26日)=石川県能登町当目で(駒寄農場提供)

特産のブルーベリーに食害をもたらしたマイマイガの幼虫(5月26日)=石川県能登町当目で(駒寄農場提供)

  • 特産のブルーベリーに食害をもたらしたマイマイガの幼虫(5月26日)=石川県能登町当目で(駒寄農場提供)
  • 食害で果実が壊滅的被害を受けたブルーベリー畑=石川県能登町当目で(駒寄農場提供)

2割の農家 出荷できず

 北陸最大のブルーベリー産地の石川県能登町で、山あいの柳田地区を中心にドクガ科の大型ガ「マイマイガ」の幼虫が大量発生し、食害が広がっている。生産農家百戸ほどのうち、二十戸以上の実がほぼ全滅し出荷できない状態。県農林総合研究センターは十年ほどに一度の大量発生期とみており、担当者は「被害は来年以降も続く可能性が高い」と注意を呼び掛けている。(加藤豊大)
 四十アールで七百株を育てている同町当目(とうめ)の「駒寄(こまよせ)農場」では、マイマイガの幼虫が四月下旬から畑全体に発生。ピンセットでつかむ駆除を続けたが、今月上旬に果実が全滅状態に。駒寄美和子代表(62)は「経済的損失だけでなく、毎年収穫体験を楽しんでくれている県内外のオーナーの方々に申し訳ない。来年に向けて手入れを続ける」と話す。
 町内の三十戸ほどの農家から果実を入荷する町ふれあい公社運営の「のとのファクトリー」(同町上町(かんまち))によると、今年出荷ができそうな農家は五戸ほど。他の二十戸以上は食害で果実が壊滅状態。中山幸永代表(58)は「昨年は計四トンを入荷したが、今年は五百〜七百キロ入れば御の字。去年から毛虫は見られたが、これほどの食害はここ三十年でも初めて」と話した。
 近くの柳田植物公園の一ヘクタールの摘み取り園では、五月末から手作業で毛虫を取り除いていたところ、六日間で駆除幼虫は計百二十キロにも上った。
 二十四日、今季の摘み取り体験受け入れを始めた同町福光の武藤(たけとう)農園では被害は比較的少なかったが、収穫は昨年の七割ほどに落ち込むとみられる。
 県農林総合研究センターによると、森林に卵を産み付けて四月ごろからふ化するが、大量発生した今年は森林に近い畑にも大きい被害が出ている。六月下旬から八月ごろにかけて成虫になり、幼虫の食害は間もなく少なくなるという。
 ただ大量発生後は終息までに二、三年ほどかかるとみられる。担当者は「農家らには必要に応じて農薬散布など防除を徹底してもらっている。卵塊を見つけたら、すぐに取り除いてほしい」と訴える。
 ブルーベリーは三十五年ほど前に同県旧柳田村(現能登町)で特産化が始まり、例年計三十トン(約三千万粒)ほどを生産し、ジャムなどの加工品製造も盛ん。多くの農家が粒を厳選する手摘みにこだわり、大粒で味が濃いのが特徴。

【メモ】マイマイガ=ドクガ科のガ。ふ化した直後の幼虫には毒針毛があり、刺さると痛みやかゆみが出る。日本各地に生息して周期的に大量発生し、落葉樹や果樹などに食害をもたらす。

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