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卵の卸値高騰 北陸店舗苦闘 鳥インフル、巣ごもり需要影響

2021年6月25日 05時00分 (6月25日 09時56分更新)
金沢市のニュー三久城南店では卵の価格を据え置き、特売を減らすなどして対応している

金沢市のニュー三久城南店では卵の価格を据え置き、特売を減らすなどして対応している

  • 金沢市のニュー三久城南店では卵の価格を据え置き、特売を減らすなどして対応している

「店頭値上げも視野」

 「物価の優等生」と呼ばれる卵の卸売価格が高騰している。六月のMサイズ(東京市場)は一キログラム当たり二百六十円と前年同月に比べ百円高く、二〇一三年十二月以来の高値となっている。コロナ禍で「巣ごもり需要」が伸びる中、鳥インフルエンザに伴う殺処分で供給不足が生じていることが背景にある。石川、富山両県のスーパーに値上げの動きは見られないが、厳しい判断を迫られている。 (瀬戸勝之、高本容平)
 鶏卵大手卸によると、卵の卸売価格は例年、五月から夏場に向けて下がっていくが、今年は一月の一キログラム当たり百四十二円から上昇の一途。一向に下がる気配はみられない。
 鳥インフルエンザは昨年十一月から今年春にかけて関東以西の各地の養鶏場で猛威を振るった。殺処分数は合計で約一千万羽と過去最多に上り、卵の生産量が大幅に減った。富山市の鶏卵卸・五十嵐商店の五十嵐健一社長は「各地の養鶏場は新しい鶏を入れつつあるが、成長して卵を産むようになるまでには時間がかかる。すぐに生産量は増えない」と話す。
 石川県内にパック詰め工場を持つ鶏卵卸・イセ食品(東京)の担当者は「飼料価格が上昇していることも背景にある」と指摘する。トウモロコシなど大半は輸入しているが、海上輸送の逼迫 (ひっぱく)や中国の買い占めが影響しているとみられるとし「相場の高止まりは長ければ一年半、少なくとも年内いっぱいは続くのでは」と見通した。
 一方、新型コロナウイルス禍で「巣ごもり需要」は依然として好調。低迷していた外食業界向けも持ち直しつつあり、全体としては増加傾向にある。
 北陸のスーパー各社は今のところ小売価格を据え置いているが、先行きは不透明だ。「卵は食卓に必要不可欠な商品。ギリギリまで我慢したいが、このまま相場の高騰が続けば値上げを考えざるを得ない」。石川、富山県内で店舗を展開する大阪屋ショップ(富山市)の担当者は悩ましげに語る。
 「ニュー三久城南店」(金沢市)も値上げしていないが、特売は週四回から三回に減らしたという。卵はもともと利幅が小さいといい、米田純店長は「仕入れ価格が上がり、より利益が少なくなっている。特売の回数を減らすとお客さんが他の店に散ってしまう。店全体の売り上げに直結するので、相場を注視したい」と話した。

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