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星野監督は使い続けた…“新人最多三振記録”が生んだ福留の奪四球力 確実に記録超える佐藤輝が同じように学んだら

2021年6月24日 10時11分

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7回裏1死一、三塁、代打福留が四球を選ぶ

7回裏1死一、三塁、代打福留が四球を選ぶ

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇23日 中日6-2阪神(バンテリンドームナゴヤ)
 桂が歩き、ビシエドが選ぶ。四球にしびれたのは久しぶりだ。勝利を決めた7回の攻撃には、もうひとつの四球があった。1死一、三塁で代打・福留がもぎ取り、藤浪の退路を消した。
 148キロのスプリットにも、155キロのフォーシームにもバットは止まった。今季12個目、通算994四球。「1000」は過去に15人いるが、出場試合数と照らし合わせれば福留の「奪四球力」がよくわかる。一般的には長距離打者が四球も多いが、福留の場合は中距離タイプ。つまり選球眼がたけていることになる。なぜボール球を見極められるのか。僕の問いに彼はこう答えた。
 「新人のときに、僕がどれだけ三振したと思っているんですか。それだけ我慢して使ってもらっていたわけだし、絶対に報いたい。その思いでやっていたんです」
 1999年。福留は16本塁打を放ったが、121三振を喫した。これは今なお残る新人の最多記録である。通常はこれだけ三振する新人は、いつまでも試合に出してはもらえない。しかし、星野仙一監督は守備にも難があった遊撃手を辛抱強く使い続けた。
 プロの球速と変化球。甘ければ打つだけの実力はあったが、確率が低かった。福留がそれを克服し、3年後には首位打者に輝いたのは強い反骨心と高い学習能力があったからだ。
 「軌道を頭にたたき込むんです。この投手のこの球種は、ここに見えたらストライク、ここならボール…。そうじゃなきゃ、いつまでも振らされます」
 1度目は振らされた球を、2度目はファウルにし、3度目には見極めた。失敗を生かすとはこのことだ。
 福留が昨季までつけていた阪神の8番・佐藤輝が怖い。両リーグ最多の90三振と、福谷の変化球を軽々と右中間に放り込んだ圧倒的パワー。22年間保持した福留の記録は、確実に塗り替えられるだろう。怖いのは現在より未来。彼が福留と同じように学び、覚えたら…。考えただけでゾッとする。

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