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遠隔操作ロボ「ミニモグ」開発 北菱(石川県小松市)

2021年6月22日 05時00分 (6月22日 10時08分更新)
「『ミニモグ』で東南アジアのインフラを守りたい」と話す谷口直樹社長=石川県小松市で

「『ミニモグ』で東南アジアのインフラを守りたい」と話す谷口直樹社長=石川県小松市で

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下水管保守で海外進出

 細長い胴体で土管にするりと入り、内部に詰まった異物をきれいに取り除いて、亀裂が入った箇所を手際よく樹脂でコーティングしていく。マレーシアの首都クアラルンプールで、下水管の保守管理に活躍が期待されているのが、機械部品メーカー・北菱(ほくりょう)(石川県小松市)が開発したロボット「ミニモグ」だ。
 ミニモグは長さ八十センチ、幅十三センチ。地上から遠隔操作で動かせるアームが先頭に付いており、ドリルにカッター、ブラシとアタッチメントを取り換えれば、さまざまな作業が可能。一緒に小型カメラ車を入れ内部の状況を確認しながら、ケーブルで引っ張って移動させる。
 マレーシアに下水道が整備され始めたのは一九八〇年代。東南アジアではシンガポールに次いで早かった。ただ、陶器製の土管のため耐久年数が三十年程度とコンクリート製に比べて短く、近年、亀裂などを原因とした浸水被害などが頻発している。
 同社はミニモグをはじめ三種類の下水道保守管理ロボットを展開し、国内の現場で実績を重ねてきた。長年培ってきたノウハウを海外でも生かそうと二〇一九年、国際協力機構(JICA)の支援を受けてマレーシアで現地調査を始めた。
 そこで目にしたのは、場当たり的とも言える保守管理の状況だった。谷口直樹社長(45)は「まるで、もぐらたたき。日本では優先順位を付けて計画的に保守点検しているが、問題が起きてから直している」。道路を掘り起こす大掛かりな工事はコスト高で交通渋滞も引き起こしており「ロボットによる安価で簡単な保守点検のニーズはある」と感じた。
 まずミニモグの性能を知ってもらおうと、現地の清掃業者を対象に基本的な操作を教える講座を開催。今年四月からは実際に工事を受注して実演する予定だったが、新型コロナウイルス禍でいったん中断した。感染状況が落ち着けば再び現地に赴き、本格輸出につなげたい考えだ。
 同社が軸とするSDGsの目標は(9)「産業と技術革新の基盤をつくろう」。谷口社長は「マレーシアと同様の問題は、その他の東南アジア諸国でも今後起きてくる。ニッチな分野だが、日本の経験やノウハウを伝えることで現地の衛生環境を守ることに貢献していきたい」と話す。

【会社メモ】自動車販売修理業として1950年創業。下水道維持管理製品のほか、建設機械や産業機械、航空エンジン部品などを製造する。「スーパーミニモグplus」は2019年度のグッドデザイン賞を受賞した。20年9月期の売上高は約23億円。従業員数は約120人。本社は石川県小松市長田町。

【メモ】SDGs=「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。


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