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今こそ「令」の精神を 国文学者・中西進さんに聞く 来月岐阜で「こころの好縁会」

2021年6月20日 05時00分 (6月20日 09時47分更新)
元号「令和」に込められたメッセージ性について考えを話す中西さん=富山市の高志の国文学館で

元号「令和」に込められたメッセージ性について考えを話す中西さん=富山市の高志の国文学館で

 元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進さん(91)と、芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さん(65)が、日本の行方を語る「こころの好縁会(こうえんかい)」(大興寺、中日新聞社共催)が七月十一日、岐阜市の岐阜グランドホテルで開かれる。新型コロナウイルス感染拡大で、混乱や不安が社会を覆う中、中西さんは「これからの時代に求められるのは、自らを律する『令』の精神です」と指摘する。 (浜崎陽介)
 古典文学で「令」は「美しい」「麗しい」といった意味で使われ、元号に初めて用いられた。中西さんは「いろいろな美しさがあるが、令とは自らを律した限定付きの美しさ」と解釈している。
 中西さんによると、日本の歴史には三つの重要な「転回」がある。一つ目は、聖徳太子が十七条の憲法を制定し始まった「法の時代」。平清盛が太政大臣になった平安末期ごろから「力の時代」になり、戦国乱世、やがて軍国主義へ。最後が一九四五年の終戦で始まった民主主義の時代で、「『意志の時代』です。民衆の力、その中にあるモラルや倫理が根幹になります」と説く。
 戦後、日本は経済成長を遂げ、物質的に豊かになった。その一方で、中西さんは「自我が不当に肥大化して、自らを律することがあまりにもないがしろにされてきた」と感じている。民主主義も国民が自律性を持たなければ国家の権力が強まっていってしまう。
 そのような時代だからこそ、「令」の精神が大切だという。自粛が求められ、感染させないよう他人への配慮が求められるコロナ禍は自分自身の生き方を見直すきっかけにもなる。
 中西さんは「修養、鍛えることです。人間は常に教えられるべき者という覚悟があれば、いくらでも成長でき、善い悪いも判断できる。思い込みを通すことではなく、常に善いものを求める自分を強靱(きょうじん)にすることなのです」と話している。
 「こころの好縁会」で中西さんは「万葉集の謎あれこれ」と題して講演。福島県三春町の福聚寺住職の玄侑さんの演題は「日本の仏教と感染症あれこれ」。中日新聞社の小出宣昭主筆を交えた鼎談(ていだん)「あらまほしき日本人」もある。午後一時から。全席指定。三千八百円。(問)事務局=090(7915)8204(受け付けは午前八時〜午後八時)

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