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“希望のコーヒー”温か支援を 摂食障害女性ら 事業拡充へ資金

2021年6月20日 05時00分 (6月20日 05時03分更新)
「からこコーヒー」の事業本格化に乗りだしたあかりプロジェクトの山口いづみさん(右)ら=野々市市御経塚で

「からこコーヒー」の事業本格化に乗りだしたあかりプロジェクトの山口いづみさん(右)ら=野々市市御経塚で

  • 「からこコーヒー」の事業本格化に乗りだしたあかりプロジェクトの山口いづみさん(右)ら=野々市市御経塚で
  • オフィスなどが入るあかりプロジェクトの新たな拠点「からこ舎」=野々市市御経塚で
  • クラウドファンディングのサイトにつながるQRコード

野々市 CF開始認知度も狙う

 摂食障害など心の不調がある女性らが、自ら焙煎(ばいせん)して販売する「からこcoffee(コーヒー)」の事業を本格化させている。五月に野々市市内に拠点を開設。インターネットで寄付を募る「クラウドファンディング(CF)」も始めており、事業拡充の資金確保だけでなく、返礼品を通じて認知度の向上にもつなげる。 (高橋雪花)
 香ばしい香りが漂うキッチン。「からこ舎」と名付けた同市御経塚の一軒家で、三十代の「えっこさん」(愛称)が品質確認の試飲をしていた。かつて心身を擦り減らし仕事を辞めると「食べちゃいけない人間だ」と自らを責め、十四年前から拒食症に苦しんだ。症状が落ち着いた今、活動に励む。「おいしいと感じてもらって、自分が世の中の役に立てていると思えるようになった」とほほ笑む。
 からこコーヒーは、自助グループのNPO法人「あかりプロジェクト」が手掛ける。症状のため、働きに出たり学校に通ったりするのが難しかった女性らが、楽しみながら社会とつながる場をと、二〇一九年末に金沢市内の福祉事業所を間借りし、焙煎の腕を磨いてきた。
 二月に同市久安のドーナツ店「ウフフドーナチュ」でコーヒー販売を開始。現在は同市片町の市市民活動サポートセンターでも販売するほか、野々市市本町の自然食品店「NOPPOKUN(のっぽくん)」で月一回、試飲販売をしている。一軒家を借りて拠点を設けたのは、作業スペースやリラックスして働ける環境を確保するためで、一階でコーヒーを開発。二階には法人のオフィスが入る。
 売り上げは伸びたが、悩みの種もある。家賃や光熱費などがかさみ、月に三十万〜四十万円の赤字という。心の不調で経済的に余裕のないメンバーも多く、自ら出資するのも難しい。あかりプロジェクト代表理事の山口いづみさん(44)は「メンバーが増え、より商品を手に取ってもらえるようにならないと続けられない」とこぼす。
 CFでは、五千〜十万円の寄付額に応じて十五種類の返礼品を用意した。ドリップバッグのセットや、からこ舎での焙煎体験のほか、山口さんの出張講演もある。寄付金はネットショップの開設や備品購入などに充てる。目標額は百二十万円。
 統合失調症で幻聴に悩まされてきたあるメンバー(43)は「参加する前は不安だったが居心地が良く、からこ舎もスペースがあり働きやすい」と話す。彼女たちの活動を応援しつつ、心身に染みるからこコーヒーを味わえるCFは、七月三十一日まで。山口さんは「コーヒーにのせられた願いや希望を知ってもらいたい」と語る。(問)からこ舎(平日のみ)076(256)2548

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