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【石川】空き家 寄付 能美市 応じます 第三者に売却 流通促進、移住者向けにも 本年度 制度開始

2021年6月16日 05時00分 (6月16日 10時40分更新)

 石川県能美市は、空き家の有効活用を促すため、所有者から空き家を寄付で譲り受け、第三者に売却する制度を本年度に始める。市は人口減少対策として移住定住の促進に力を入れているが、宅地整備に適した土地は限られるため、今後、増加する空き家を新たな資源として生かす。 (平井剛)
 空き家の仲介を目的としたバンク(登録)制度を設けている市町は県内でも珠洲市や加賀市などがある。一方、市町村が公共事業以外の目的で私有地の寄付を受け付けるケースは少なく、能美市まち整備課の担当者は「空き家の流通を目的とした寄付制度は全国的にも珍しい」と語る。
 市が計画する制度の仕組みでは、所有者から空き家を土地ごと市へ寄付してもらう。代わりに土地面積等の確定や相続の整理にかかる費用を市が負担する。生じた費用と同額で購入希望の第三者に売却し、市側に損得は発生しない。
 ただし、市が空き家を抱え続けるリスクを避けるため、寄付を受け付けるのは物理的に住めそうな場所に限る。接道条件を満たさないなど、現在の建築基準法では建物が建てられない場所も除外する。空き家は購入者が解体して、新たに住宅を建てても構わない。担当者は「細かな条件は今後詰めていく」と話す。
 まち整備課によると、市内の空き家数の正確なデータはないが、町会・町内会が二〇一八年度に調べたところ、五百軒程度存在していた。人口減少で空き家は今後も増え続けるとみられ、放置すると、景観や防犯に悪影響を及ぼすほか、大雪などで倒壊の危険性も増す。
 担当者は「空き家のまま固定資産税を払い続けるよりも、寄付してすっきり整理したいと考える人たちは一定数いる」と推測。実際に空き家を寄付できないかといった相談が、市に数件寄せられているという。
 同市東部の国造地区では、山あいの不便な場所にもかかわらず、自然にひかれ都会から移り住む人が増えている。コロナ禍で地方への移住ブームは当面続くとみられ、担当者は「空き家の解消と移住の要望に同時に応えられるよう制度設計していきたい」と話す。

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