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「マルヰ」 小新知治さん(37) 加賀愛 暮らし見守る 

2021年6月15日 05時00分 (6月15日 09時58分更新)
各種カルチャー教室やグループ旅行も企画し、地域に愛される企業を目指す「マルヰ」の小新知治社長=石川県加賀市で

各種カルチャー教室やグループ旅行も企画し、地域に愛される企業を目指す「マルヰ」の小新知治社長=石川県加賀市で

 ガスや電力の小売り、住宅リフォームなど、暮らし回りの業務を扱う「マルヰ」(石川県加賀市)の四代目社長。二〇二〇年九月、父親から引き継いで就任したが、それ以前から地域に軸足を置いた新規事業を次々と立ち上げ、社会貢献にも熱心な企業として存在感を高めている。
 電力自由化に伴い、一八年に参入した新電力事業はその一つ。価格競争で大手に勝つのは難しい。ならば「地域に愛される商品をつくろう」と社内チームで議論を重ねた。そうして生まれたのが、電気料金の一部が地域団体に寄付される「応援プラン」。寄付先は山中青年団、小学校、子ども食堂に広がった。
 山中青年団では昨年、寄付金を活用して獅子舞の衣装の一部を新調した。その獅子舞を見て、人々が喜ぶ。“思い”が地域を循環する仕組みだ。「わずかな金額でも本当に喜んでくださる。お金には代えられない価値を感じている」
 会社を継ぐのは、長男として自然な流れだった。県外の大学を卒業後、商社に三年間勤め、古里にUターン。平社員からスタートし、トイレ詰まりの対応にも走り回った。ある時は高齢の顧客から「散水ホースが壊れた」とSOS。新品と取り換えると、手放しで喜んでくれた。
 「目の前の人が喜んでくれる。何億の仕事より、五百円の仕事の方がよっぽど尊い」と感じた。
 一方で、地域は深刻な人口減少に直面し、「前進を続けないと、生き残れない」と危機感は強い。新電力事業への参入のほか、二年前からは人工知能(AI)を活用して電力需要を予測するシステムの開発に取り組む。将来的には電力の使用データから生活パターンの変化を読み取り、高齢者の見守りサービスにつなげたいと考えている。
 実はUターンするまで古里への愛着はさほど強くなかった。「地域との共存共栄」を強く思うようになったのは、加賀青年会議所(JC)で同世代の仲間と活動するようになってから。本年度は理事長の立場で地域の将来像を描き、コロナ禍の中でできる最大限のことを模索する。
 十九日には感染対策を万全にして、小学生の相撲大会を二年ぶりに開く。楽しみにしている人が多い恒例行事だ。社内に、地域に「いいね!」があふれる光景を思い描き、挑戦を続ける。(小室亜希子)

【会社メモ】1955年、石川県初のLPガス販売営業許可を受け、翌56年創業。加賀市に本社を置き、住宅などの新築・リフォーム、ミネラルウオーター販売を行う。2018年9月、新電力事業「まるいでんき」を開始。従業員数40人。


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