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仏宮殿「謎の掛け軸」は徳川献上品 福沢諭吉ら使節団が皇帝へ

2021年6月14日 16時00分 (6月14日 16時00分更新)
パリ郊外フォンテンブロー宮殿に展示された掛け軸について解説するエステル・ボエール教授

パリ郊外フォンテンブロー宮殿に展示された掛け軸について解説するエステル・ボエール教授

  • パリ郊外フォンテンブロー宮殿に展示された掛け軸について解説するエステル・ボエール教授
  • 展示会場の説明板には、文久遣欧使節の一員が描いたナポレオン三世とウジェニー皇后のスケッチ画も
  • 宮殿の外観。改装工事の囲いにも観覧者を楽しませる工夫が施されている
 フランスの歴代国王や皇帝が居城としたパリ郊外の世界遺産フォンテンブロー宮殿に、江戸時代の日本の掛け軸が伝わっている。由来が分からず長らく眠っていたが、日仏研究者の共同調査で、徳川幕府が欧州へ初めて派遣した使節団が皇帝ナポレオン三世へ献上した品と判明。今月四〜六日に仏文化省が宮殿で開いた「美術史フェスティバル」で初公開された。掛け軸の軌跡をたどると、幕末の日仏外交史が浮かび上がる。 (パリ・谷悠己、写真も)
 「調査結果が出た時は、本当に興奮した」
 共同調査のメンバーで、パリの仏国立東洋言語文化大のエステル・ボエール教授(53)が振り返る。
 毎年テーマ国を変え、宮殿で開かれる美術史フェスティバル。今回のテーマ国が日本に決まった二〇一九年、出品内容を検討する日仏研究者らが目を付けたのが、宮殿に収蔵された十枚の「謎の掛け軸」だった。
 正体を突き止めたのは、東京学芸大の鈴木廣之名誉教授ら日本側研究者。分析した幕末の外交資料の中に一八六二年に渡欧した福沢諭吉ら「文久遣欧使節」による献上品の一覧が見つかり、特徴が一致した。
 「質が高いので、仏国内では以前から外交ルートで流入した可能性が指摘されてい...

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