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加賀乙彦さん長篇小説が全集に 初回配本は「錨のない船」

2021年6月14日 16時00分 (6月14日 16時00分更新)
長篇小説全集刊行への思いを語る加賀乙彦さん=東京都文京区で

長篇小説全集刊行への思いを語る加賀乙彦さん=東京都文京区で

 日本を代表する長編作家加賀乙彦さん(92)の長篇小説全集(全十一作品十八巻、作品社)の刊行が始まった。収録作は『永遠の都』『雲の都』『宣告』『湿原』などの長編小説と、加賀文学の重要な一角を占める『高山右近』などキリスト教関連の小説。加賀さんは「長編には長編の力がある。長編だからこそ、人間の奥行きの深さを描けた」と話す。 (加古陽治)
 加賀さんは、精神科医としてフランスに留学した時代の経験をモチーフにしたデビュー作『フランドルの冬』(一九六七年)以来、日本の作家では珍しく長編を創作の中心に据えてきた。主な長編作品はロシア語や中国・フランス・英語など各国語に翻訳され、世界中で読まれてきた。
 一方で、作品は文庫でも絶版となったものが多く、紙の本として後世に残したいという加賀さんの思いが、今回の刊行につながった。
 第一回配本は『錨(いかり)のない船』(一九八二年)。開戦時に日米交渉の責を担った外交官・来栖三郎と家族の物語をもとにした創作で、今回、来栖の長男・良がモデルの陸軍技術将校・パイロット来島健が戦死するシーンに変更を加えた。
 単行本などでは、白人とのハーフの健が米軍機の銃撃で負傷し、落...

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