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<尾張まち物語> 津島・駄菓子屋すーさん(5)

2021年6月13日 05時00分 (6月13日 10時02分更新)
思い出のトランペットを手に当時を振り返る本吉さん=津島市宝町で

思い出のトランペットを手に当時を振り返る本吉さん=津島市宝町で

 子どものころ、一歩を踏み出したことで、自分が変われた記憶はないだろうか。津島市の中学生、本吉柚凪(ゆな)さん(14)も同市宝町の「駄菓子屋すーさん」を通じ、そんな体験をした。
 小学六年の秋。児童虐待の防止活動を行っている約三十人の大人が、駄菓子屋すーさんの評判を聞き、見学に来ることになった。「せっかくだから何かしようよ」。常連の同級生七、八人の間でそんな話になり、来客をもてなす発表会を開くことになった。
 歌やダンスのグループができる中、本吉さんは一人でトランペットを吹くことになった。学校で金管楽器を演奏したことはあったが、ソロは初めて。「ノリだった。目立ちたかったのかも」と照れ笑いするが、すーさんこと店主の砂川博道さん(61)は「自主的にやりたいって、言ってくれたことがうれしくて」。
 楽器はすーさんがインターネットで提供を呼び掛け、ほぼ新品を譲ってもらえた。演奏するのは、星野源さんのヒット曲「恋」。高い音を出すのに苦戦しつつ、本番までの一カ月間、毎日一、二時間、練習した。
 店の裏手にあるホールで迎えた本番。大勢の大人たちを前に、手足はガタガタと震えたが、視線は楽譜からそらさなかった。...

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