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巨大な霊木 道に鎮座 「高岡・末広町通り(1907〜18年)」

2021年6月13日 05時00分 (6月14日 10時03分更新)
霊木とされた七本杉が立っていたころの絵はがき写真=高岡市で(同市博物館提供)

霊木とされた七本杉が立っていたころの絵はがき写真=高岡市で(同市博物館提供)

  • 霊木とされた七本杉が立っていたころの絵はがき写真=高岡市で(同市博物館提供)
  • 現在の末広町通り。右手前が高層マンション。高岡駅に向かう路面電車「万葉線」=高岡市末広町で
 路面電車が行き交う高岡駅前の末広町通りに、一九二七(昭和二)年に伐採されるまで「七本杉(しちほんすぎ)」と呼ばれる巨大な霊木があった。高さは三八・二メートルだったという。
 樹齢千年以上の老木と言われた七本の大枝が茂る杉の大樹だったが、一八九四(明治二十七)年の強風で大枝五本が折れ、二本が残った。
 古い書物に「高岡築城以前関野に大老杉七樹あり。其(その)一樹存立せしを以(もっ)て、七本杉と呼称す」とある。火災難よけの守護神・大杉大明神として大杉神社にまつられ、大風で折れた一部で虚空像菩薩(ぼさつ)を彫刻し、除難福徳延命守護仏としてまつるなど市民の信仰はあつかった。
 一九〇〇年の大火後、駅前の拡幅整理の際も道路の真ん中に残された。車の通行が増え、交通の妨げになった。枯死寸前の老木の七本杉は暴風雨のたびに、住民に倒木の不安を感じさせていたことから切り倒された。
 その後、高岡駅前の末広町通りは繁栄し、商都の中心として多くの人が行き交う通りになった。現在は路面電車「万葉線」が走り、高層マンションも建設された。
 七本杉の伐採木の一部はキャンバスにされ、市内の画家らが描いた仏画十三枚は高岡大仏の回廊に飾られている。(武田寛史)

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