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【石川】要請・周囲の目に 保護者 “息苦しさ”

2021年6月12日 05時00分 (6月12日 10時17分更新)

健康被害懸念 専門家「推奨は小学生以上」

 金沢市内で新型コロナウイルスに感染する未就学児が増えていることを受け、園児にマスク着用の徹底を求める保育施設に対し、一部の保護者から柔軟に対応するよう求める声が出ている。子どもにマスクを着けさせた結果、健康被害につながったケースが全国で報告されているからだ。専門家は未就学児では呼吸器が未熟なことなどを理由に「なるべくマスクの着用に頼らない対策を」と指摘する。(小佐野慧太)
 市内の認定こども園に長女を通わせている鍋嶋亜由美さん(39)は二月ごろ、園から送られてきた通知に驚いた。近くの園でコロナ感染者が出たことを受け、三歳以上の園児にマスクの着用を求める−という内容だった。「私は『子どものマスク反対派』。すぐに直談判して、うちの子は着けなくていいと認めてもらった」と振り返る。
 鍋嶋さんは今月、マスクを着けて持久走をした大阪府の児童の死亡事故などを受け、ママ友二人と一緒に市に要望書を送った。保育施設によっては、一律にマスクの着用を求めていることを問題視。マスクのメリットとともにデメリットを施設や保護者らに周知するほか、着用の有無による差別やいじめなどを起こさないよう求めた。「マスクをしない子ども、させない親が白い目で見られないようにしてほしい」と話す。
 市は「(国として)一律にマスクを着用させることは求めない」とする厚生労働省の通知を市内の保育施設に送っているが、市保育幼稚園課の担当者は「どういった場面でマスクを着用させるかは現場に任せている」と話す。
 一部の保育施設がマスクの着用徹底を求めるのは、金沢市内で園児の感染者が増えているからだ。石川県内で初めて園児が感染した昨年四月から今年三月までの感染者は計四人だったのに対し、今年四月以降はすでに十四人に上っている。
 未就学児のマスク着用を巡っては、日本小児科学会が昨年五月、特に二歳未満の子どもは窒息などの危険があると警告する声明を出した。三歳以上についても「強要はしないことが重要」としている。
 新型コロナ対策に取り組む県専門家会議座長の谷内江(やちえ)昭宏・金沢大病院副院長(小児科学、免疫学)も「マスクが推奨できるのは小学生以上から」と語る。
 谷内江さんは、第四波で園児の多くは家庭で感染しているとして「四月以降は大人の感染者が多かったので、園児が多くなったのは当然と言える。子どもにうつさないよう、大人のほうが感染対策を徹底するべきだ」と指摘する。さらに「保育施設で園児から園児に感染した例は少ない。手洗いや消毒、換気のほか、感染者が出たら数日間、休園するという今の対策が効果を発揮しているとみるべきだ」と話している。

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