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職域接種 石川県は関与消極 他府県は支援動きも… 知事「打ち手など課題」

2021年6月11日 05時00分 (6月11日 10時06分更新)
 新型コロナウイルスのワクチン接種に関する地域の負担を軽減し、接種を加速化するため、企業や大学などを対象とした「職域接種」が二十一日、本格的に始まる。十日の全国知事会議で、石川県の谷本正憲知事は「一日も早い接種が最大の感染防止対策であり、地域経済の再生にもつながる」と強調したが、職域接種には打ち手問題などを理由に、県の関与には後ろ向きな姿勢を示した。全国では知事自ら経済団体に要請したり、支援態勢を整えたりする動きがある中で温度差が明らかになった。(田嶋豊)
 「打ち手問題などの課題がある中で、県からやってくれとは言えない」。全国知事会議後の取材で、職域接種への関与を問われると、谷本知事はそう答えた。職域接種を巡っては医療従事者の確保など企業側のハードルも高く、知事は「そのうちいろんな知見が積み重なってくれば、小規模企業に対しても、いろんなアイデアが出てくるのではないか」とも語った。
 大阪府の吉村洋文知事は今月上旬、関西経済連合会との意見交換会で職域接種を要請。府もサポートチームを立ち上げ、人材を紹介したり、運営ノウハウを伝えたりする。三重県では部局横断型の「職域接種支援プロジェクト」を設け、九日には制度を紹介する説明会を開いた。
 ワクチン接種を巡り、全国知事会で「どう工夫すれば障壁を取り除けるか知恵を絞り、早期に接種を終えるべきだ」とも発言していた谷本知事。石川県によると、既に複数の県内企業が国に職域接種を申請している。
 県の担当者は「市町の負担が軽減されるのは間違いないだろうが、今の枠組みでは資金面を含め参加企業などが限られる」と指摘。企業への相談には応じていく考えで「公平性という観点からも、まずはシンプルに市町の接種率を上げる動きに重点を置きたい」と話した。

【メモ】職域接種=米モデルナ製のワクチンを使用。開始時期は6月21日からとし、高齢者接種が早期に完了する見込みがある自治体は、自治体の判断で前倒しできる。接種に必要な会場、医療従事者は企業などが自ら確保する。企業単独のほか、商工会議所などを通じた中小企業の共同実施や取引先、学生も含めた形もそれぞれ認められる。接種形態は(1)社内診療所での接種(2)外部医療機関が会社に出張(3)企業が指定した医療機関に社員が出向く−を想定する。


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