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【石川】分譲マンション 開発加速 シニア層の移住需要 照準 金沢中心部  

2021年6月11日 05時00分 (6月11日 10時11分更新)
分譲マンション「ジオ金沢近江町」の建設予定地=金沢市で

分譲マンション「ジオ金沢近江町」の建設予定地=金沢市で

  • 分譲マンション「ジオ金沢近江町」の建設予定地=金沢市で

「既に供給過多」の声も

 金沢市の中心部で分譲マンションの建設計画が相次いで浮上している。開発業者は「郊外から移り住むシニア層のニーズは引き続き高い」と意欲的だが、不動産業界の関係者からは「コロナ禍での景気低迷の影響もある。販売競争の激化で、今後は強気の価格設定がしにくくなる」との指摘も聞かれる。 (瀬戸勝之)
 近江町市場に隣接したヤマカ水産本社跡。大通りに面した一画に、北陸初進出の阪急阪神不動産が十階建て「ジオ金沢近江町」(二十六戸)を計画する。来年八月の完成予定で、担当者は「五十代の富裕層や郊外の一戸建て住宅からの住み替え需要が見込める」と語る。
 JR金沢駅金沢港口(西口)近くのマリエールオークパイン金沢跡には、野村不動産とフージャースコーポレーション、JR西日本不動産開発の三社の共同企業体(JV)が十五階建ての大型マンション(二百八十七戸)を計画中。完成は二〇二五年三月の予定だ。
 「プレミスト」ブランドを展開している大和ハウス工業は橋場町に新たに十階建て(五十四戸)を計画中で今夏の販売を予定する。担当者は「コロナ禍で昨春は市況が冷え込んだが、問い合わせは増えている」と需要回復に期待する。他にも数社の販売物件がある。
 市中心部では、これまでホテル各社が競うように進出を表明してきた。ところがコロナ禍によるインバウンド需要の低迷で状況は一変。マンション業者がまとまった土地を確保しやすくなっており、さらに開発案件が増える可能性もある。
 不動産調査の東京カンテイ(東京)によると、石川県のマンションの平均坪単価は十年ほど前は百十万〜百三十万円だったが、直近は二百万円超となっている。北陸新幹線の開業後、首都圏などの富裕層が投資目的やセカンドハウスとして購入したことが上昇の一因となったが「今は地元需要が中心。既に『供給過多』になりつつある」(業界関係者)との声も聞かれる。
 不動産会社マインドホーム(金沢市)の長原学社長は「四千万円半ばから五千万円台が売れ筋となっているが、物件の完成後に売れ残り、一千万円ほど値引きするケースも出てきた。立地条件により、開発業者は強気の価格設定をしにくくなるのでは」と見通した。

◇希望の条件か精査を
「毎月の支払い額、ローン減税適用…」

 分譲マンションの折り込みチラシには細かい字でぎっしりと物件の情報が書かれているが、難しい専門用語も多い。マインドホームの長原学社長は「金額が大きい買い物だけに内容をしっかり見て、希望の条件に合った物件かを確認して」とアドバイスする。
 「頭金◎円、毎月返済額◎円」。チラシを見ると負担額はこれだけと勘違いしそうになるが、他に修繕積立金、管理費もかかる。「修繕積立金は当初安く設定されていると後で大幅に上昇するリスクもある」
 車の所有者は駐車料金もかかる。通常、確保できるのは所有者ごとに一台分だけだ。また機械式の駐車場だと、老朽化が進むにつれ維持費が高くなる傾向にあるという。
 住宅ローン減税の適用条件は「床面積四十平方メートル以上」だが、これは専有部分の壁の内側で計算した登記上の面積。壁の厚みの中心線で計算した面積が記載されていることもあり、注意が必要という。バルコニーは専有部分に含まれない。「低金利の今なら、ローンの支払金利より減税額が多くなるケースがある」とも。
 主に六十歳以上を対象にした住宅金融支援機構のローン「リ・バース60」を紹介したチラシもある。頭金50%以上を用意することが条件で、毎月の返済は利息だけ。元金は申込者が亡くなった際、相続人がマンションを売却するなどして返済する。ただ、北陸では取り扱っている金融機関は少ない。

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