「軽が消え去ることはない」6月退任のスズキ・鈴木修会長インタビュー
2021年6月11日 05時00分 (6月11日 05時31分更新)
1978年から43年にわたってスズキを率い、世界的な小型車メーカーに育て上げた鈴木修会長(91)が、株主総会が開かれる25日、相談役に退く。鈴木会長は本紙のインタビューで、経営者としての歩みや手掛けた車への思いを語った。 (聞き手・鈴木啓紀)
■気力だけでは
−自動車業界が変革期を迎える中で引退を決めた理由は。
自動車はガソリンとエンジンの時代に区切りを付けて、電池とモーターに転換しようとしている。人間がエンジンの働きをした人力車から二輪車、自動車へと変わったように(動力は)電池とモーターに変わっていく。今までの自動車と抜本的に違ってしまう。ついていけなくなったので、引退を決意した。三十代ならチャレンジするが、九十歳を超えて新たに勉強はできない。「よし、挑戦してやろうか」という気力だけでは、実現できないものだ。
−米アップルが電気自動車(EV)を出すとの観測がある。異業種の参入で自動車産業はどうなるか。
浜松にもかつては雨後のたけのこのように三十数社のオートバイメーカーがあった。新規参入はあっても、最終的には淘汰(とうた)されて(完成車メーカーを頂点とする従来の)ピラミッド型の構図...
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