桃井かおり 映画監督・女優
2018年7月27日 02時00分 (5月27日 03時54分更新)
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◆世界で戦うにはひとりの強さを
日本映画を代表する個性派女優といえばこの人、桃井かおりさん(67)。数々の映画賞を総なめにしながら、五十四歳でハリウッドに挑み、拠点を移した。いまや世界各国の映画に主演するだけでなく、自ら脚本を書き、監督としてメガホンを取る。国際的な評価がうなぎのぼり。まっすぐですがすがしい生き方はいまも女性の憧れだ。
-長編監督二作目「火 Hee」(二〇一六年)は、放火を犯した娼婦(しょうふ)が自らの呪われた過去を精神科医に話し続けるという意欲作。ベルリン国際映画祭で上映され大反響でした。
原作(中村文則さんの短編小説)を読んだとき、ぱっと思いついたのは、牢獄(ろうごく)かどこかで壁に向かってしゃべっている女でした。自己主張が強くて協調性がなく、誰からも受け入れてもらえない。ものすごい孤独を抱えているけれど、なんとかして誰かと言葉でつながろうとする最後の生きもの。メールのやりとりでコミュニケーションが済んでしまう今の時代、テーマ的にいいなと思いました。
-監督、主演、脚本の三役を務めました。
監督として、俳優の桃井かおりにプレッシャーをかけたくてセリフを覚えさせなか...
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