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乳児障害「心からおわび」 県立病院長ら謝罪 医療過誤訴訟和解へ 

2021年6月10日 05時00分 (6月10日 09時54分更新)

過失を認めて謝罪する県立病院の橋爪院長(左)と前川事務局長=9日、県庁で

 県立病院(福井市)で手術を受けた生後二カ月の乳児が重度障害を負ったのは術後管理の不手際などが原因だとして、両親らが県に損害賠償を求めた訴訟で、橋爪泰夫院長らが九日、県庁で会見し、「このような事態に至ったことを心からおわびする」と謝罪した。福井地裁が提示した和解案を双方が受け入れる意向で、県が和解金一億四千万円を支払う。医療過誤による同院の賠償額では記録が残る一九九二(平成四)年以降、最高額となる。
 訴状によると、乳児は二〇一六年、腸などが飛び出る「鼠径(そけい)ヘルニア」の手術後、心肺停止状態に陥り、呼吸器機能に重い障害を負った。
 橋爪院長とともに会見した前川嘉宏事務局長は、二〇年に福井地裁が実施した医師二人の鑑定で、術後の観察体制が適切でなかったと判断されたと説明。迅速に胸骨圧迫などの措置を始めていれば障害を負わなかった可能性があるとの鑑定結果を明らかにし、「緊急対応が足りなかった」と過失を認めた。
 再発防止策として、手術後の乳児には全員にモニターを装着し、体温や脈拍などの確認回数を増やし、小児科病棟に勤務する看護師に特化した心肺蘇生の研修を進めていると説明。「安全管理を徹底し、病院運営に努めていく」と述べた。

会見に出席した乳児の父親=9日、福井市で

「24時間介護が必要 心休まる時間ない」 父親会見

 乳児の父親も同日、福井市内で会見。「二十四時間介護が必要で、夜も誰かがそばにいなくてはならない。家族で出掛けることも難しく、心休まる時間がない」と現在の状況を語った。「今後、自分たちと同じような思いをする人が出ないよう、しっかりと医療と向き合ってもらいたい」と話した。

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