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「地元木工、観光業に貢献を」 モルトヤマ・若鶴酒造 ウイスキーボトラーズ

2021年6月10日 05時00分 (6月10日 05時00分更新)
ウイスキーボトラーズを始める下野孔明さん(右)、稲垣貴彦さん(中)と、樽を作る山崎友也さん=富山県南砺市の山崎工務店で

ウイスキーボトラーズを始める下野孔明さん(右)、稲垣貴彦さん(中)と、樽を作る山崎友也さん=富山県南砺市の山崎工務店で

  • ウイスキーボトラーズを始める下野孔明さん(右)、稲垣貴彦さん(中)と、樽を作る山崎友也さん=富山県南砺市の山崎工務店で
  • 熟成庫内の試飲スペースのイメージ図

井波に3000樽熟成庫、見学会予定

 ウイスキーの原酒をメーカーから購入し、樽(たる)で熟成させて独自商品として販売する日本初のボトラーズ事業を共同で始めるウイスキー通販のモルトヤマ(富山市)の下野孔明(ただあき)店主(38)と若鶴酒造(富山県砺波市)の稲垣貴彦取締役(33)が九日、熟成庫の建設を予定する富山県南砺市内で会見した。早ければ二〇二五年にも発売する計画で、二人は「地元の木工業や観光に貢献し、SDGs(持続可能な開発目標)につなげたい」と抱負を語った。 (松村裕子)
 事業は、若鶴酒造をはじめ江井ケ嶋(えいがしま)酒造(兵庫県)や西酒造(鹿児島県)など全国六つの蒸留所から原酒を購入し、香りの良いミズナラ製の樽や輸入して加工した樽などで最低三年熟成させる。三千樽を貯蔵でき、「ブレスオブジャパン(日本の息吹)」のラベルで販売する。
 メーカーは大量に同じ品質のウイスキーを造るが、ボトラーズでは樽ごとに異なる味や香りのウイスキーが造れるという。これまで日本に本格的なボトラーズはなかった。
 熟成庫を建てる南砺市井波地域は、水田が多く、湿潤で温度が安定。さらに全国的に数少ない樽製造者がおり、広い市有地の入手が可能なことから建設地に選んだ。敷地面積は約二千六百平方メートルで、建物は木造平屋建て約八百六十平方メートル。富山県産杉を重ねることで断熱と湿度調整に優れた部材を使う。九月に着工し、来年三月に完成予定。
 南砺市産ミズナラを使った樽は、井波地域の山崎工務店専務で大工の山崎友也さん(47)が作る。熟成庫内に試飲スペースを設け、見学の受け入れも予定。井波彫刻総合会館や道の駅井波が近く、観光面での相乗効果が期待される。
 土地や建物、設備で約二億円、原酒や樽の購入で年約二千万円の投資を見込む。国や南砺市の補助金のほか、六月末まで予定するクラウドファンディングを活用する。
 下野さんは「地元の木材や職人を生かし、地域貢献できるのがうれしい。世界の人に富山を知ってもらい、来てほしい」と話す。稲垣さんは「豊かな森林資源を循環させる持続可能な取り組み。日本のウイスキーの魅力を発信してファンを増やしたい」と意気込みを語った。

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