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水を得た新星 日本一 羽咋中の大江さん JOC杯50メートル自由形

2021年6月10日 05時00分 (6月10日 05時02分更新)
コーチの高橋秀幸さん(奥)が見守る中、練習する大江竜生さん=七尾市つつじが浜で

コーチの高橋秀幸さん(奥)が見守る中、練習する大江竜生さん=七尾市つつじが浜で

コロナ禍逆手に「効率よく練習、次は全中で」

 羽咋市の羽咋中学校三年、大江竜生(りゅうせい)さんが、三月下旬に通信大会として行われた全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会で、50メートル自由形の十三〜十四歳区分で優勝した。本格的に競技を始めて約三年で射止めた日本一の座。急成長を見せる十四歳は言う。「次は全中(全国中学校水泳競技大会)という大舞台で日本一になりたい」 (稲垣達成)
 三月二十七日、金沢市の金沢プール。コロナ禍により地域ブロックごとの開催となった大会に出場し、50メートル自由形で23秒53を打ち出した。四月に全国の記録が集計され、和歌山県の選手と並び全国一位に。大江さんは「自己ベスト(23秒46)に届かず、厳しいと思った。優勝した実感はなかった」と淡々と振り返る。
 五歳の時に地元羽咋市で始めた水泳。「健康づくりのため」と考えたのがきっかけだった。周りの勧めで九歳から七尾市の「スポーツギャザー770」に通い、小学六年からより高いレベルを目指す「選手コース」に所属。本格的に競技を始めた。週五日、学校が終わった午後六時から二時間ほど練習に励んでいる。
 「気持ちが先走ってしまうのか、フォームはカチャカチャ。でも速い。スーッと水に乗る。スタート時の飛び込み、水中のドルフィンキックは中学生離れしている」。コーチの高橋秀幸さん(46)はそう評価する。
 活躍の裏には、苦しんだ過去もある。「平泳ぎもバタフライもフォームが乱れていたので、進級に時間がかかった」と大江さん。出場した大会ではターンに失敗、壁に足が届かず後れを取ってしまうこともあった。高橋さんは「実はまともに泳げるようになったのは最近なんです」と明かす。
 昨春、未曽有のウイルスが到来。練習時間の短縮、内容の見直しが迫られた。それまで一日の練習で計七千〜八千メートル泳いだが、時短のため今は三千メートルほど。練習量が減ることに不安もあったが、むしろ逆だった。大江さんは「たくさん泳ぐとどこかで手を抜いてしまう。今の方が効率よく練習できている」とうなずく。
 理想的なフォームを追求し、記録更新を目指す日々。コロナ禍で夏の全中の開催は不透明だが、大会があると信じ、鍛錬する。「満足のいくレースができるように。次はライバルたちと直接戦って、勝ちたい」。穏やかながら、言葉に熱がこもった。

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