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県、特急存続断念へ 乗り換え利便性要望

2021年6月8日 05時15分 (6月8日 11時57分更新)

敦賀開業後


 北陸新幹線敦賀開業後の並行在来線(並在)区間への特急乗り入れを巡り、県は運行上の物理的問題や並在会社の収支悪化などから「合理的な選択肢とならない」と結論づけ、断念する方針を固めた。JR西日本との協議に区切りを付け、今後は敦賀駅での乗り換え利便性確保や料金負担の軽減などを求めていく。 (山本洋児)
 新幹線の開業区間は特急列車が廃止される。このため二〇二四年春の金沢−敦賀間開業後、北陸と関西を結ぶ「サンダーバード」、中京方面の「しらさぎ」は敦賀止まりになる。
 県は、国がフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入を断念したことを盾に、敦賀開業後も福井方面への特急存続を国とJRに要望。特急存続の可否が十月に策定を予定している並在会社の経営計画に影響するため、今夏に結論を出すとしていた。
 特急存続は京都−大阪間の過密ダイヤなどを理由に、以前から実現が困難な情勢だった。さらに並在会社は特急車両や設備の維持費が必要になる上、旅客と貨物の割合に応じてJR貨物から支払われる「線路使用料」が減り、収支悪化が避けられない。県は、一日数往復だけでも特急を残せないか模索した。県の試算では、サンダーバードを福井駅まで一日三往復残すだけで車両取得に八十億円超かかる。特急運行で並在会社の料金収入が増える一方、福井−敦賀間の新幹線利用客が減りJR西は減収。並在もJRも車両・設備の維持費と乗務員らの人件費が発生し、二社で年間計七億円の赤字が生じる。
 県は引き続き、JR西に敦賀駅で新幹線と特急をスムーズに乗り継げるダイヤ編成を要望していく。富山・石川両県より新幹線の時間短縮効果が小さいため、企画切符など料金負担の軽減も求める。
 特急存続を巡っては、JR西が過密ダイヤなどを挙げ反対。国もFGTは一つの案で、前提ではないと否定的だ。沿線市町は鯖江市を除いて並在会社の収支を懸念し、反対か慎重な姿勢を見せている。

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