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七尾城跡保存へ 10年計画 市教委が策定

2021年6月8日 05時00分 (6月8日 10時11分更新)
本年度も引き続き調査を進める調度丸跡=七尾市の七尾城跡で

本年度も引き続き調査を進める調度丸跡=七尾市の七尾城跡で

  • 本年度も引き続き調査を進める調度丸跡=七尾市の七尾城跡で
  • 本年度、休憩場やトイレを整備する七尾城登山口駐車場=七尾市古屋敷町で
  • 本丸跡から望める景色=七尾市の七尾城跡で
  • 「史跡七尾城跡整備基本計画」を手に調度丸跡調査に意欲を示す学芸員の北林雅康さん=七尾市役所で

◇発掘調査 ◇駐車場整備 ◇景観維持

 七尾市教委は、同市の国史跡・七尾城跡の今後10年間の事業計画などをまとめた整備基本計画を策定した。石垣復旧や大手道(旧道)の保存整備・復元など2030年度までの重点事業を盛り込み、具体的スケジュールも提示。本年度は4月に供用が始まった七尾城登山口駐車場のトイレ整備や、昨年度に続き本丸跡に近い調度丸跡(ちょうどまるあと)の発掘調査などにも取り組む方針だ。 (稲垣達成)
 計画の対象範囲は史跡指定地と未指定地の計三十ヘクタール。期間は十年間。本年度は城跡ふもとの駐車場にトイレや休憩場を整備するほか、本丸跡などからの眺望を保つため木々の剪定(せんてい)や伐採を行う。来年度以降、かつて城と城下町をつないだ主要道だったと考えられる大手道について能越道高架下付近の遺構復元、本丸北側斜面や城の鎮護の要とされる巨石「九尺石」などで石垣の復旧に取り組む。前半五年の事業の進捗(しんちょく)状況によって、後半のスケジュールは前後するという。
 二二年度に始まる大手道の遺構復元事業では、AR(拡張現実)の技術も活用予定。国や県と連携し、訪問者が現地でスマートフォンをかざすと、過去に行われた発掘調査の成果などを紹介するシステム導入も検討する。学芸員の北林雅康さん(46)は「当時を振り返られる整備になれば」と期待を寄せる。
 七尾城跡の調査を巡って、市教委は昨年九〜十二月、城の中枢部分で初の本格的な発掘調査を実施。本丸そばで武具などを調えたとされる「調度丸跡」約百平方メートルを調査し、建物の礎石とみられる石や生活に使われたという陶磁器の一部が見つかり、住居があった可能性が高まった。赤く焼けた石もあり、当時火災があったことがうかがえる。
 石塁の構造では北側と南側で構築方法が異なることも判明。本年度も引き続き調査を進め、時期の特定や出土品の整理作業などを進める。北林さんは「調度丸はいい状態で残っており、戦国ロマンがあふれる場所。本丸跡を訪れる人は必ずここを通るため、関心も高い。時代変遷などより詳しく調べたい」と話している。
 計画の概要版はA4サイズのパンフレットで二千部作製。小中学校や各地区コミュニティセンターに順次配布していく。

【メモ】七尾城跡=戦国時代の16世紀前半に能登国の守護畠山氏が築き、1577年の上杉謙信の攻撃で落城。その後、前田利家が入城したとされる。城域は南北約2・5キロ、東西約1キロ、面積約252・6ヘクタール。国内最大規模の山城として知られ年間約3万人が訪れる。


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