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【石川】天井画 170のご縁咲く 能登町・福正寺

2021年6月7日 05時00分 (6月7日 11時10分更新)
画家や門徒ら計170人が地元の花々を華やかに描き本堂を彩る天井画=石川県能登町合鹿の福正寺で

画家や門徒ら計170人が地元の花々を華やかに描き本堂を彩る天井画=石川県能登町合鹿の福正寺で

4歳〜90代が絵筆「コロナ禍 心一つに」

 石川県能登町合鹿(ごうろく)の福正寺(ふくしょうじ)の本堂で、地元に咲く花々を描いた百九十枚の天井画が完成した。プロの画家をはじめ、四歳〜九十代の門徒や参拝者ら計百七十人がそれぞれ描き、創建五百年余りの古刹(こさつ)を華やかに彩る。飯山浩純(こうじゅん)住職は「新型コロナウイルスの苦境の中、心一つに多くのご縁で仕上がった。さらに五百年後まで残り、令和の風景を伝える文化財になってほしい」と願っている。(加藤豊大)
 アクリル絵の具や日本画の顔料で描かれた天井画は、各八十五センチ四方。オニユリやボタン、アジサイやスイレン、ミズバショウなど、寺の周辺に咲く数多くの花々を中心に題材とした。飯山住職は「同じ草花でも描く人がどう見るかで、個性豊かに出来上がった」と話す。
 福正寺は、木地に柿渋や木炭粉を重ねた地元発祥の漆器「合鹿椀(わん)」ゆかりの寺として知られ、そのお椀コレクションを見学する参拝者が町内外から訪れる。老朽化した本堂の天井を創建以来初めて張り替えるのに合わせて、一年半ほど前から制作を進めていた。
 いずれも自坊を持つ僧侶で、町出身の洋画家で日展会員でもある西房(にしふさ)浩二さんや、東京都の水墨画家本多良之さんが制作に協力。西房さんが金沢市などで開く絵画教室の受講生や、本多さんが講師を務める絵画会「墨英(ぼくえい)会」のメンバーも参加した。昨年七月に西房さんを講師に福正寺で絵画の体験教室を開き、門徒や参拝者らからも広く描き手を募集。ステイホーム中に自宅で完成させてもらったほか、隣接の同県珠洲市から一週間寺に通い続けて描き上げた人もいた。
 飯山住職は「本堂に寝転んで天井を見上げるのも良い。コロナ禍で多くの人の心のよりどころにもなれば」と語った。参拝は事前に福正寺=電0768(76)0290=へ連絡する。八月二十九日に完成奉告法要を予定している。新型コロナウイルスの感染状況で変更の可能性もある。

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