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滋味深い新聞ちぎり絵 92歳・木村セツさん2冊目出版

2021年6月4日 16時00分 (6月4日 16時00分更新)
出版された新聞ちぎり絵ポストカードブック

出版された新聞ちぎり絵ポストカードブック

 奈良県桜井市の木村セツさん(92)が、90歳から新聞紙を使ったちぎり絵を始め、その豊かな表現力が評判を呼んでいる。作品とインタビューから成る本『90歳セツの新聞ちぎり絵』(里山社)は、昨年2月の刊行から5刷と版を重ね、今年は新作中心の第2弾が出た。
 ブロッコリーにいちご、車海老(えび)、お弁当…。作品はどれも見た瞬間、絶妙な色合いと質感にくぎ付けになる。「今年一番気に入ってるのは、海老。背の光ってるところ、一本筋の白い紙で切ったら情がわかへんから、文字でも細かに切って貼っていったらちょうどええかな思いまして」。電話口からセツさんの柔らかな声が届く。
 新聞ちぎり絵を始めたのは、二〇一九年の正月。前年十一月末に夫弘(ひろむ)さん(享年九十)を亡くし気落ちしたセツさんを案じて、一緒に暮らす長女幸子さんが勧めた。セツさんは十六歳で終戦を迎え、二十四歳で結婚。弘さんと養鶏や農業などを営み、三人の子どもを育てた。これまで趣味と呼べるものはなかったというセツさんにとっていま、新聞ちぎり絵は「生きがい」と言う。
 実物や写真を見て下絵を描き、色分けした新聞紙から使う色を選ぶ。次々と生み出される作品を、...

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